電話回線を使って文書やイラストを即時に送ることができるFAXの登場は、スピードの点で郵送を遙かに上回り、ビジネスに革命をもたらしました。それから時は流れ、仕事もプライベートも、通信の主流は電子メールが取って代わり、FAXを利用する頻度は少なくなったものです。
そのような状況で、個人事業者やSOHO(自宅兼オフィス)では、FAXの扱いが厄介になってきました。FAXを受信する頻度が少ないとは言え、FAX受信設備を設置しない訳には行きません。しかし、FAX機やFAX機能を持ったプリンターを設置すると、インクや用紙の補給やメンテナンスも必要になります。また、不在時に受信したFAXは、オフィスに帰るまで確認ができません。外出先から自宅に直帰したい場合も、顧客からファックスに目を通すようにと電話があったら、オフィスに戻らざるを得ないでしょう。他にも、長期出張でオフィスを空けたりすると、何日もFAXを確認できない状況が発生するかもしれません。
しかし、そんな悩みを解決してくれるFAX機が登場しました。パナソニックの「KX-PD101DL」です。「KX-PD101DL」は、通常のFAX兼コードレス電話機として働きますが、インターネット回線に接続すると、受信したFAXを電子メールとして任意の宛先に転送させることができます。つまり、オフィスや自宅で受信しFAXが、スマホでチェックできるのです!
■使ってみました
「KX-PD101DL」の価格は2万円弱。コードレス電話としても使え、お手軽価格なので、購入してみました。「KX-PD101DL」はWiFi機能を内蔵しているので、WiFi環境のあるご家庭やオフィスなら、難なく接続できるはずです。一旦ネットワークに接続できるようになると、詳細設定の多くは、スマホのアプリ(無償でダウンロード可能)で、比較的簡単にできます。受信したFAXをメールで転送できるようにするには、送信用のメールアカウントが必要です。Gmailを利用している場合は、メールアドレスとパスワードを入力するだけで済むので、とでも簡単です。Gmailを利用していない場合も、本機能の利用を機に、Gmailのアカウントを取得するのも良いでしょう。
全てを設定し終えると、後はFAXを待つだけ。FAXを受信すると、見事にスマホにFAX受信を知らせるメールが着信。メールを開くと、JPEG(写真)ファイルとして添付されたFAXが表示され、細かな文字もきちんと読めます。
iPhoneで、FAX受信を知らせるメールを開いた例。
iPhoneで、メールに添付されたFAX(JPEGファイル) を表示した例。拡大も可能で、紙でFAXを受信するのと同等に、細かい文字もきちんと読めます。
■さいごに
以前は、長期出張から帰ってFAXを確認すると、イベントの期限や回答期限を過ぎてしまっているケースもありました。「KX-PD101DL」を導入した今後は、外出時にもFAXがほぼリアルタイムでチェックできるようになり、外出や長期出張も安心できそうです。
また、FAXをプリントアウトする必要が無いので、インクも用紙も節約でき、オフィスに居る時でも重宝します。(インクと用紙はセットしておかなくても良い!)
他にも、「KX-PD101DL」はスマホを子機として設定できるなど、最新機能が満載です。小規模なオフィス、個人事業者やSOHOスタイルで働く方々にお勧めできる良品です。
鴻池賢三