筆者は50代半ばですが、加齢と共に眠りが浅くなっているような気がします。健康のためにもぐっすりと眠りたいですが、改善をするにしても現状の把握が必要。近年はデジタル機器の高性能化と低価格化が進み、市販の製品でも手軽に「睡眠モニター」ができるようになっているので、利用しない手はありません。その典型とも言える腕時計型のスマートウォッチは広く普及していて、既に利用されている方も多いのではないでしょうか?
しかし、就寝中に腕時計装着すると違和感が。眠りが浅い自覚がある上に違和感を覚えると、ますます眠れなくなりそうです。そんな中、新しいデバイスが登場していて注目を集め始めました。スマートウォッチの機能の一部を凝縮した指輪型の「スマートリング」です。
今回は、実際に長期間スマートリングを利用している筆者が、製品の紹介と使い心地をレポートします。
【写真】スマートリング装着例(筆者撮影)
■スマートリングで何ができる?
スマートウォッチに似たスマートリングで何ができるのでしょうか?両者の違いとは?
スマートリングは指輪型の非常に小さなデバイスですが、バッテリーを内蔵した立派な電子機器です。スマートウォッチと同様、加速度センサーを内蔵して動きを検出できるほか、脈拍と血中酸素濃度も測定できます。製品全体としては、スマホと組み合わせて、アプリやクラウド上でデータの分析を行うことにより、睡眠の状態(レム/ノンレム)をグラフで示したり、無呼吸症候群の兆候を知らせてくれるなどの機能を備えています。ここでお気づきかと思いますが、睡眠の状態は脳波を測定して判定している訳ではなく、脈拍や動きを分析した「推定」であるので、利用に際しては「簡易」であることにご留意を。
スマートウォッチに有ってスマートリングに無いのは、時計機能くらいでしょうか? 決済機能は製品によりますが、一部のスマートリングで利用可能です。
■実際の装着感は?
筆者は、Amazfit(アマズフィット)の「Helio Ring」という製品を使用しています。「Helio Ring」は3サイズが用意されていて、メーカーは人差し指への装着を推奨していますが、中指や薬指でも充分な精度のデータが得られるとのことで、多くの方にフィットするはずです。指輪よりも厚みや幅が大きめですが、指輪に慣れている方なら許容範囲でしょう。これほどの小さな筐体に、バッテリー、電子回路、センサーが詰め込まれているのは驚きです。因みに筆者はアクセサリーとしての指輪も苦手ですが、スマートリングは機能を備えているので納得できています。日常生活では少し邪魔に感じるケースはありますが、就寝中はスマートウォッチのように大きな違和感を覚えず、睡眠を邪魔される感はありません。但し、脈拍を測定するために緑色の光を放つので、手が顔の付近にあると眩しく感じることがあります。寝相によっては気になる方がいらっしゃるかもしれません。
■睡眠モニターの精度は?
添付のグラフが睡眠状態をグラフ化したものです。入眠と起床は自動的に検知され、精度もまずまず良好。手動で操作する手間はありません。横になってから直ぐに直ぐに眠らない、あるいは寝付けない方の場合、記録される入眠時間は実際の時間と異なるケースもありますが、後から「編集」機能で時間の修正が可能です。
では一例として、筆者のある日の実測グラフを見てみましょう。脈拍が刻々と連続して記録されていて、就寝中の脈拍の推移が分かります。本人は眠れていないと思っていても、起床時は80bpmくらいの心拍数が60pbm弱まで低下している様子を見ると、充分に休めているようで安心します。
「REM」「浅い眠り」「深い」は、脈拍と体の動きなどから分析した「推定」の域を超えませんが、日々の変化を知り、生活習慣改善のきっかけになるでしょう。アプリの機能として、入眠時間と起床時間を規則正しくするよう通知が来たりもします。
【スマホアプリキャプチャ画像】睡眠モニターの表示例
■さいごに
スマートリングは医療機器ではなく、あくまでも簡易的なものです。健康に不安のある方は自身で判断せず、医師の診察を受けるようにしてください。筆者の場合、健康に特に不安は無く、眠りが浅いのが気になっている程度なので、手軽に入手して使用できるスマートリングはちょうど良い感じです。よく歩いて疲れた日などは、グラフでも「深い」眠りが増えていることが多く、運動のモチベーションアップにもなります。漠然と眠りに不満を持たれている方は、この機会に、スマートリングで「見える化」してみてはいかがでしょうか?
〈今回ご紹介した製品〉
ブランド: Amazfit(アマズフィット)
製品名: Helio Ring(ヘリオ リング)
製品URL: https://www.amazfit.jp/products/amazfit-helioring