消費者は表向き「飲食店の値上げもやむなし」という空気になってきました。
一方で、時間労働者の最低賃金は上昇しているものの、正規雇用の従業員は物価上昇に比べて改善されているとは言えないのではないでしょうか。
※リンク先の実質賃金参考
本来なら、値上げ、業績増、賃金に反映という流れが理想なのでしょうが、こと外食産業はパート・アルバイトの低賃金あって成立していたという面もあり、これからどう変革するかは大きな鍵となります。
大きな会社であれば機械化、DX化によって生産性向上を実現して、所得を今の水準の倍くらいに押し上げながらも、少人数で運営することになると思われます。
何をやめて、何を強みにするかは会社ごとに変わってくるわけです。
今日は、少人数で生産性を追求して、高いバリューでお客様に支持されている「サイゼリヤ」でインフレ下のメニューや店舗運営を研究したいと思います。
ちなみにベンチマークするのに便利だったロードサイド店のはるひ野店は閉店しましたので、新百合ヶ丘北口店を視察します。
まず、サイゼリヤの「何をやめて、何を強みにするか」ですが、+200円で提供していたスパゲティの大盛りを廃止したことが上げられるでしょう。(リンク先の東洋経済記事参照)
廃止理由は品質の安定が困難ということであるが、確かに、ベンチマークしているイカ墨のスパゲティを見る限り、大盛りはあまりバランスが良いとは言えなかったと思う。
またサイゼリヤは値上げしていなにもかかわらず、客単価がアップしています。
リンク先の(https://toyokeizai.net/articles/-/672039)によれば、客単価は、
679円(2020年)→ 743円(2022年)→ 698円(2021年)→ 818円(2023年)
のように推移しています。
「もともとサイゼリヤは値段の割にボリュームがありましたが、サイズダウンしたことによって追加でもう1品注文する人が増えて、結果、客単価が上がっていると考えられます」
また、アラカルトでお客様が多品種選ぶことができるということはお客様がサイゼリアのアイテムを理解しているからであり、ランチなどのセットとあわせて、客層にあわせて魅力ある商品がターゲットに対してあるのだと言えるでしょう。
サイゼリヤ実食レビュー
『サイゼリヤ 新百合ヶ丘駅北口店』は小田急線新百合ヶ丘駅にほど近いビルの3階にあります。
今回の訪問は16時少し前の遅めのランチとなりましたが、店内に入るとほぼほぼ満席です。
サラリーマン、中年、年配の女性、女子高生、大学生と幅広い客層がおります。
まずは、メニューをチェックしましょう。
税込価格がぴったり価格になりましたね。
いずれはキャッシュレスになるのでしょうけど、釣り銭の両替というのも見えないコストなので、“ぴったり価格”はいいですね。
ちなみに、塩分相当量の表示もなくなっています。
モッツァレラのサラダ(税込)400円、柔らか青豆のサラダ(税込)200円、アロスティーニ(税込)400円、イカ墨入りスパゲティ(税込)500円、セットドリンクバー(税込)200円、トリフアイスクリーム(税込)350円を注文します。
まずはモッツァレラのサラダ(税込)400円で、ボリュームがあり、モッツァレラが4つのっています。
酸味のきいたビネグレットオイルが良いです。
柔らか青豆のサラダ(税込)200円は収穫時期にこだわったベビービーということで、派手なアイテムでないですが、手頃な価格で良いです。
アロスティーニ(税込)400円は”やみつきスパイス”がなかなか良くておいしいです。
2019年12月に登場した「アロスティチーニ(ラムの串焼き)」は、ラム肉独特の味わいと、付属スパイスの風味が相まって、登場直後から人気メニューに。2020年春、原料不足を理由に販売休止し、一部地域での期間限定販売へ。通常販売の復活後も注目を集め、今年11月29日にも、店舗在庫が終了次第、販売を一時休止すると発表されている。
イカ墨入りスパゲティ(税込)500円
個人的に好きなアイテム。500円と考えればバリューが高いですね。
トリフアイスクリーム(税込)350円
注文時にデザートの提供のタイミングを尋ねられて、一緒と言わずに食後にと言いいました。
一緒と言った方が、最初に出てくるけど、ちょうど良い溶け加減になるのでおいしく食べられることを敢えてしませんでした。
全部で税込2,050円。
食品が高騰いている中、サイゼリヤで食事をしたほうが安いと言えるのかもしれません
リンク先の東洋経済の記事によれば
「LINEが昨年行った“好きなファミリーレストラン”という調査でもサイゼリヤが1位となっています。全体では2割弱、10代女性で見ると4割ほどと、ほかと比較するとダントツといえる評価となっていました。これは“頑張って低価格を維持している”という姿勢によって、ファンに愛されているのではないでしょうか。応援したいという気持ちにもなるでしょう」
やはりリンク先の東洋経済の記事
「大きくはやはり“値上げをしない”という姿勢がいちばんの差別化であり、戦略だと思います。またサイゼリヤのメニューには幅がありますが、ベースはイタリアンです。ファミリーレストランではなく、イタリアンと考えたとき、ほかにもイタリアンのチェーンはありますが、比較すると“サイゼリヤのほうが断然安い”となります。エスカルゴであったり割と本格的なものも食べられ、安いというのは強い」
サイゼリヤ 新百合ヶ丘駅北口店
〒215-0004 神奈川県川崎市麻生区万福寺1丁目1−2 シティモール 3F
電話 044-969-1620