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マネジメント

第17回 問題解決能力 《実行編》

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

前回ご紹介した「発想」の次は、実際のハウツー(実行)が必要となる。
今月は、問題解決の5つのノウハウについて説明しよう。


1.はじめから問題が生じないような状況作りを行うこと 

ジョンソン・エンド・ジョンソンでは、「QIP」という品質向上運動を実施していた。
製品の品質やサービス、日常業務など、すべての面に関する質を向上しようというものである。
その品質向上のために、4つの原則をあげている。

    (ア)品質を「要求条件」と一致させる。要求条件には、たとえばユーザーが求める条件、
       それを満たすための資材調達先などに求める条件がある。
       その要求条件は常に明確になっていて、会社の進歩・成長のためにぜひ必要である
       という正当性がなければならない。

    (イ)欠陥商品を未然に防止する。 

    (ウ)欠陥ゼロを達成基準にして、現在の状況がそれからどの程度離れているかを
       自覚しながら、目標達成に努力する。

    (エ)品質コスト(品質の維持・向上にかかるコスト)を金額換算する。

以上がジョンソン・エンド・ジョンソンの例だが、
ともあれ、何らかの形“問題が発生しないような体制づくり”の努力を行うべきである。


2.問題の仕分けをする

具体的には、自分で解決できる問題かどうかを見分け、
そのうえで、自力で解決可能な場合と不可能な場合それぞれの対応策を練ることである。


3.問題の性質を見極める 

風邪を例にとれば、解熱剤が必要なのか、静養が必要なのかといった問題である。
前者はとりあえずの応急処置、後者はじっく り根本的に治す是正措置である。
応急処置で安心してしまうことが多いが、問題の性質を見極めて、それにふさわしい是正措置を採ることが大切である。


4.問題を数字で把握する 

問題をあるべき姿からの乖離(かいり)と捉えて、それを数字で考えてみる。
その際に忘れてならないのが、パーセントと絶対 額のどちらで、
あるいはその両方でチェックするのか、基準の採り方を事前に決めておくことである。


5.「多長根」 

問題解決の決定版で、物事を判断するときに「多面的」「長期的」「根本的」の3つの側面から捉えろということである。
人は、問題の起きた背景や原因の追究よりも、目の前に発生している問題の処理に追われがちである。
しかし、当座の問題が処理できたからといって、根本的な問題解決になるとは限らない。



新  将命     

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