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- 第10話 会社の借り入れが過大になる理由
会社の借入が過大になる理由を知っていますか?
会社の借入が過大になることを債務過多ともいうけれど、金融機関も貸したときは返済できる財務内容だったから貸すのであって、少なくともその段階では「借入が過大」であるわけはないのです。
では、どうして借りすぎになるのか?
最近の日本にあっては答えは2つしかないのです。
そのひとつが、「売上または利益の大幅な減少」
そしてもうひとつが「資産価値の大幅な減少」
「売上または利益の大幅な減少」は、具体例で話すと、毎月売上が3000万円あり、月300万円の返済は苦ではなかったけれど、平均売上が価格競争激化により5分の1まで落ち込み、600万円になってしまった。その結果月300万円の返済はできなくなってしまったというもの。
そして「資産価値の大幅な減少」は、不動産などの資産に頼った融資を銀行が行い、不動産の価格が下がり、その資産を売っても返せない状態になってしまったというもの。
そして、一般企業の多くが前者「売上または利益の大幅な減少」により債務過多となっています。
現実に僕のところにおみえになる企業経営者の多くがこの売上、利益の減少が誘引で倒産に導かれています。
これを解決する方法は各社の財務内容によって違いはあるけれど、やりかたはひとつしかないのです。それは、今までの何倍もの利益を稼ぐ、今までの利益率を何倍にもする業態に変えることなのです。
そのためには ライバル企業より優れた商品を売ることではなく、ライバル企業とは違う商品を売ること が必要になります。
ところが、この話をしてもわかってもらえないものです。それは債務過多のパン屋さんなら、よりおいしいパンを作るという道を選ばないことを意味するからです。
しかもこういった内容で経営改善計画を作ったとしても債権者・金融機関の理解をえるのは難しいものとなります。
この解決策は 自己否定、今までやってきた仕事を一度否定しないとできないのです。ところが人間にはプライドがあり、誇りがある。だから自己否定するのは容易なことではない。その結果、僕の話を聞いても「ウチでは無理だ」で、結局倒産してしまうのです。
現在、取り組んでいる会社は、3期前まで決算書上、債務過多でほぼ倒産状態でした。しかし売上を3倍以上にし、資金調達できるようにして流動資産を増やし、この会社にしかできないサービスを展開させることで利益率も大幅に上昇させた。直近の決算書では売上高営業利益率は19.1%にもなっています。
こういう話をすると、「どうせ特殊な会社でしょう」とか利益率はもともと高かったんでしょうとか言われるけれど、けっしてそんなことはなくて、この会社、普通の中小企業で、3期前の売上高営業利益率はマイナス。
ただ、この会社について言えば他社と明らかに違う点がある。それは社長がプライドや過去の利益を生まない業態を捨てようと心がけ、常に利益を考えていることだと思います。
今までと同じことをやっていたのでは解決策はみつからないのです。