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教養

第106回「戦前の大金持ち」(著:出口治明)

眼と耳で楽しむ読書術

 

読書の秋も終わりに近づいてきた折、
またもやコロナ関連の話題が世間を賑わしています。
 
Go toキャンペーンの一時停止など、
動きづらい、閉塞的な状況になりつつありますし、
何か胸のすくような、スケールの大きな本をお届けしたい!
 
ということで、今回選んだのが
 
『戦前の大金持ち』(編:出口治明)
 
106-1.jpg
 
です。

戦前の大金持ち (小学館新書)/amazonへ
 
 
一般的にはあまり知られていない話ですが、
実は、戦前の日本には個性的で、破格のスケールの起業家たちが揃っていました。
 
たとえば、
孫文の辛亥革命をパトロンとして支えた梅屋庄吉氏、
"パリの蕩尽王・バロン薩摩"として名を馳せた薩摩治郎八氏、
武器商人から一大財閥を築いた大倉喜八郎氏、
"吉野の山林王"こと、土倉庄三郎氏、
 "相場の神様"と呼ばれ、山種美術館をつくった山崎種二氏、
"世界の真珠王"こと、御木本幸吉氏。
 
本書は、そんな豪傑たちの評伝に加え、
ライフネット生命の創業者で歴史家としても知られる出口治明氏による
各人への解説から成る一冊。
 
この構成が非常に絶妙!
評伝を読むだけでもワクワクさせられる上に、
出口氏の経営者&歴史家目線での解説で、面白さも厚みも倍増。
 
なんと言っても、一人一人が豪快で魅力たっぷりなので、
読むほどに興味が増すばかり。
先見の明があり、ピンチをチャンスに変える力があり、
行動力、胆力、どれをとっても型破り。
手頃な新書でありながらも、
ここから大きな収穫につながりそうな種がギッシリ詰まっています。
 
そして、戦前の大金持ちだけではなく、戦後からも
"日本一の庭園"と世界に評価される足立美術館をつくった足立全康氏についての解説も
書かれていて、さらに強力に!
 
個人的には、山種美術館も足立美術館も気に入っていますし、
その誕生秘話的な部分でも非常に楽しめました。
 
ちなみに、足立氏について、出口氏は「生き方そのものがMBAの教科書になる」と
高く評価しています。
その生き方とは一体!?
経営者、リーダー必見!
 
閉塞感に満ちた今のご時世にこそ、現状をブレイクスルーすべく、
読んでおきたい一冊です。
昔の日本人に負けていられませんね!
 
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『サン=サーンス:ピアノ協奏曲全集』(演奏:パスカル・ロジェ、指揮:シャルル・デュトワ)
 
106-2.jpg
 
です。
サン=サーンス:ピアノ協奏曲全集/amazonへ
ロジェとデュトワ、フランスの2巨匠による、サン=サーンスのピアノ協奏曲の決定盤!
新鮮、かつ、どこか懐かしさも感じる名曲の数々、
合わせてお楽しみいただければ幸いです。
 
では、また次回。
 

 
 

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