■オーパス・ワン
シリコンバレー視察の際に、カリフォルニアワインを代表するワイナリーが集まるナパヴァレーにある「オーパス・ワン」と「ケンゾーエステイト」に行ってきた。
4ブロック・50ヘクタールの畑の中に、ナパのワイナリーの中でも異彩を放つアメリカの建築家、スコット・ジョンソン氏デザインの古墳を思わせる近代的建物が建つオーパス・ワンは、有名芸術家作品のラベルも特徴の、フランス5大シャトーの一つである「シャトー・ムートン・ロートシルト」を経営するフィリップ・ド・ロートシルト男爵と、ナパのロバート・モンダヴィが1979年にパートナーを組んで始めたワイナリーで、「一本のワインは交響曲、一杯のグラスワインはメロディのようなものだ」という考えから、音楽用語の「Opus One(作品番号1番)」と命名された。
収穫したブドウを除梗、破砕などをする大型機械はフランスの設計で、ドイツの会社がスイスの工場で製造したものだったが、それを1階にあるステンレス製のタンクで醸造、その後地下にある貯蔵庫で18ヶ月間フレンチオークの新樽で熟成するのだそうだが、それらを一つ一つ丁寧に説明してもらった。
地下の貯蔵庫の外に用意されたワインをテイスティングしながら、ぶどう畑が見渡せる屋上のテラスなどを巡ったが、ボルドーとカリフォルニアの融合を感じさせるワイナリーだった。
■ケンゾーエステイト
一世を風靡した対戦格闘ゲーム「ストリートファイターII」や、世界でも人気になった「バイオハザード」などのゲームで知られるカプコンの辻本憲三会長がナパバレーに作ったワイナリーが、「ケンゾーエステイト」で、ここは辻本氏が部屋に閉じこもってゲームばかりするのでなく、外にもでかけるように、アウトドア志向の事業展開を模索して購入した470万坪の広大な土地の一角だ。
利用されずにあったこの土地にワイナリーを作るため、1998年から山上の森を切り拓き、その後、世界一のワイン造りを目指し、栽培家デイヴィッド・アブリュー、醸造家ハイディ・バレット氏を迎え、15年かけ2010年にオープンしている。
山を登って広大な敷地を進んだ先にあるケンゾーエステイトは、ぶどう畑に囲まれた別世界が体験でき、ゆったりとした時間を過ごせた。
ケンゾーのワインは、日本では東京・広尾、六本木ヒルズ、大阪・梅田にあるテイスティングルームで買えるし、扱っているレストランも多いが、アメリカでは希少性があるため、アメリカにいる方へお礼などにも有効だ。