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製造業

第251号 改善提案を等級づけてはならない

柿内幸夫─社長のための現場改善

つい先日新年のご挨拶をしていたばかりと思っていましたが、もう2月の中旬です。豆まきもしたし、恵方巻も食べたし、けっこう毎月することがあるものですね。

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 自動車玩具(ミニカー)愛好家の皆様が作られたミニカーコレクションの展示会に行く機会がありました。昔懐かしい車を一つひとつ丹念に見ていたら、子供のころの自動車に憧れていたころの熱い気持ちを思い出しました。

 出展している方たちはお年寄りから若い方まで幅広いのですが、全員が自動車大好きの素敵な笑顔の方ばかりでした。

 

 さて、今回はチョコ案制度の9つの特徴のうちの 6)についてご説明いたします。

 

 1、大きな成果を求めない。

 2、独創性を求めない。

 3、会社の役に立つことや仲間が喜ぶことであれば、従来の改善提案の常識にとらわれずすべて評価する。

 4、結果のみでなく、プロセスも評価する。

 5、報告の用紙も極力簡素化し、「改善以前の状況」と、「改善後の状況」と「自分の氏名」の3点を書けばよいというメモ程度の内容で十分とする。

 6、一般の改善提案制度のように内容の等級付けをしない

 7、報奨については1件100円前後の金額が妥当であると考える。

 8、1ヶ月に全員が最低でも1件の改善を実行して報告するといったルールを設ける。

 9、気軽な発表会を実施し、みんなで改善というものに慣れ親しむ。

 

 それでは、6、一般の改善提案制度のように内容の等級付けをしないの特徴について続いて詳しく説明します。

 

 一般的な改善提案制度の場合、提出されたすべての案に対して等級付けがされることが多いと思います。そこでは改善提案が実行される前に「一級や二級」といった嬉しい評価や「不採用」のような評価が行われます。

 

 しかし、まだ実行する前の改善に等級付けすることに意味があるのでしょうか? あるいは前もっての等級付けが改善意欲に結びつくのでしょうか?

 

答えはNOです。せっかく社内から生まれた改善へのモチベーションが失われてしまうからです。また、等級付けがあることで書く方も読む方も大変になり、結果的にすごく長い時間がかかります。この時間は停滞時間だと考えるべきです。モチベーションだけでなくスピードも失ってしまうのです。


 せっかく良いアイデアを思いついても、具体的に調査して書くため数ヶ月かかって、その後の厳密な採点処理に数ヶ月かかれば、実行は平気で半年後になります。良いアイデアは思いついたらその場で実行されるべきです。そして、改善成果はできたところで測定すればいいのです。

 だからチョコ案の場合、等級付けをしません。「それでは良い提案をする意欲がなくなって活動のレベルが下がってしまうのでは?」と思われるかもしれませんが、そんな事はありません。

 チョコ案があえて等級付けをしない理由は、とにかく実行に対するスピードを重視したいからです。そして会社にいる全ての人が自ら環境を変えるという会社の習慣を植え付けたいからです。

 ではチョコ案を実行した人への評価は何か?というと、まず全体の目標として「全員が毎月必ず一件の改善を実行する」という具体的なハードルを定めて、それに対して「あなたは今月も改善を実行して会社の経営に貢献しました」ということでほめるのです。

 採点はありませんから、実行してチョコ案用紙に記入して提出することだけで評価されるということです。ですから、全員がチョコ案を実行してくれれば全員が評価されるということになります。

 先日この説明をしたところ、相手の方から「それでは差がつかないではないか?」と聞かれましたが、もし全員が改善を実行してくれる会社であれば、差をつける必要はないと考えます。

 想像してみて下さい、社内にいる社員・契約社員・パート・アルバイトの全員が改善できる所を常に探し、見つかれば即実行している会社を!モチベーションとスピードに溢れた前向きな職場に違いありません。

 チョコ案はすでに実行された改善も多いですが、続けていくうちに皆の発想も柔らかくなっていき、ある日とんでもなく効果が大きい改善が生まれる事があります。そういう場合は、個別に社長賞を出すといったこともいいでしょう。また実行件数の多い方には個人賞を出したり、チーム単位での団体表彰も喜ばれます。

 社長にとって一番大切なことはできるだけ多くの方が、望むべくは全員が毎月必ず一件は改善を実行してくれるようにすることです。一つひとつの改善は小さくとも、みんながずっと改善実行を続けると経営が変わるのです。

 そして皆が改善を始めたら、社長や幹部の皆さんは積極的にほめてあげて下さい。ほめるのは難しいことではありません。毎月全員がチョコ案を1つ出しているのですから、ちょっと目を通せば気に入ったり気になったりする改善が必ずいくつか見つかるでしょう。それを選んで、現場で実行者とその改善についての具体的な会話をするだけでみんなの改善意欲が上がります。

 どうぞ改善を難しく考えず、全員がモチベーションを持って簡単に関われるエネルギー溢れるものとして活用して下さい。会社の雰囲気が明るく前向きに変わります。

 

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copyright yukichi

 

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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