Googleが開発した生成AI「Gemini」をさらに進化させた「Gemini Advanced 1.5 pro with Deep Research」が、1月15日から日本語でも利用できるようになった。
これはGoogle検索をAIが代行して行い、検索結果から得た情報を元にさらに検索をしてレポートを作成してくれるもので、人間が行うと何時間もかかっていた作業を数分でやってくれる。
OpenAIの「ChatGPT4o」にも検索機能が加わりAI検索が当たり前になってきたが、「検索」分野ではNo.1のGoogle検索とAI分析ができるので期待している。
使い方は、最初に調査や分析の指示をすると「リサーチ計画」を提示してくれる。
この段階で計画の追加や変更も可能で、納得できる計画ができたらリサーチを開始すると、YouTubeの動画なども含めいろいろなWebサイトを検索してくれる。
その後検索したWeb情報を調査・分析してレポートしてくれるのだが、過大な要求をして「その質問にはお答えできません」と断られたこともあるので、以前の生成AIのように適当な回答をでっち上げる「幻覚」(Hallucination =ハルシネーション)の発生は少なくなっていると感じている。
■月200ドルの助手
膨大な量の学術論文の要約、参考文献のリスト作成、剽窃チェックなどを自動化することで、研究者の負担を軽減し、研究効率を向上させたり、マーケティングを行う際は競合他社のWebサイト、製品情報、顧客レビューなどを分析したり、市場データ、消費者動向、経済指標、ソーシャルメディアの投稿、オンラインレビュー、顧客アンケートなどの分析もしてくれる。
投資判断を行う際の企業の財務諸表、ニュース記事、アナリストレポートなどの分析にも使われているようで、月額200ドル(Gemini Advancedの使用料)で気の利いた助手を一人雇えるのでありがたい。
AIが生成したレポートをたたき台にして自分の分析や考察を加えられるので、より質の高い判断ができる。
■AIエージェントの年
2025年のAIのテーマは「AIエージェント」だ。
これは日程と行き先を指定すると航空券やホテルなどの予約をしたり、センサーやカメラから情報を取得し、状況を理解して、映像の分析やデータベースからの情報取得などを行って、大量のデータから特定の情報を検索したりできるものだ。
今回紹介したGoogleのDeep Researchもその第一歩で、今年は「使えるAI助手」が次々に登場してくると思われる。
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●Gemini Advanced の新機能 Deep Research が日本語でも公開
https://blog.google/intl/ja-jp/company-news/technology/gemini-advanced-deep-research/