少子高齢化社会の到来は、幕末の黒船来襲と同じく、新しい時代の幕開けという意味を持ちます。
新しい時代の明治日本は、黒船来襲による外国からの圧力を梃子に、和魂という自律の精神(論語)を基礎に、西洋の進んだ文化や技術(算盤)を積極的に受け入れる和魂洋才の発想で、短期間で強い国家を作り上げました。
少子高齢化社会では、従来の常識からすれば常識外れのこと、換言すれば、最悪の事態を想定することが必要不可欠になります。要は、今後は、最悪のリスクを想定して経営する必要があります。
それを象徴するのが、法律改正による働き方改革です。従来は、勤勉型の労働時間重視の働き方でしたが、今後は、生産性型の労働の成果を中心にした働き方が重視される時代になります。
でも、心配は不要です。日本には時代を超えた成長原理となる伝統精神があります。明治時代に日本を強国にした「和魂」の精神、つまり、「志」につながる自律の精神です。
この自律の精神である「和魂」を基礎に、新しい発想・技術であるITやAIや経営発想を経営に活用すれば、強い組織としての会社になります。中小企業の強みは、実は、この点にあります。経営者が和魂の精神に立って、最悪の事態を受け入れ、それを乗り越える顧客創造型の経営を率先すれば、それが会社全体の空気となり、会社は最強の企業に生まれ変われるからです。
経営の神様である故松下幸之助氏の考え方が参考になります。
「社会的責任を多く果たす者が勝つのが自由競争社会」
社会的責任とは、顧客などの社会の人々に喜んでもらえることをすることですので、顧客創造型企業が高い収益をあげて強い会社になるということです。
働き方改革という法律制度の改革の核心は、成果を中心にした顧客創造型の経営になることを推し進め、強い会社を育てようとするものです。法律が基盤にしてこそ、最悪を受け入れ、それを梃子に最強の会社に生まれ変われるからです。要は、自由競争社会における最強の武器であり、最強の防御壁となる法律を味方にすることが最強の会社になる条件になるのです。
働き方改革を最強の会社になるチャンスをするためには、法律を使いこなせる法律家を経営参謀にする必要があるということでもあります。中小企業の経営者は、これを新しい常識にすべきです。