どこまでも続く、フランスの美しいブドウ畑
コニャックに使う、ユニ・ブランという品種
発酵・熟成に使う樽。ブルゴーニュ地方のシャブリにて
「黄金の丘」と称される、ブルゴーニュ コート・ドール地区の畑
ワインに関する本はたくさん出版されていますし、ネットでも正確な情報を手に入れることができます。でも、お忙しい皆様の中には、ワインの本を読む時間はない、本格的ではなくもっと気軽に知識を得たい、という方もいらっしゃるでしょう。
そこで、今回から、ワインに買う時に役立つ基礎的な情報をお伝えしていきたいと思います。5分で読める長さで、覚えることも最小限。これまで売り場やネットショップで「聞いたことはあるけど、はっきりは知らなかった」ようなことを、少しずつクリアにお伝えしていければと思います。
ワインはどうして難しいのか?どうして選びにくいのか?それは、皆様の目の前にあるのが、ただのボトルだからです。そのボトルの中には、ワインが造られた気候、風土、テクニックなどなど、膨大な情報がつまっています。それを完全に知るには飲んでみるしかないのですが、当然ながらお店にあるワインすべてを飲むわけにはいきません。
そこで、手助けになるのがラベル、および店頭POPやインターネットショップのコピーなどです。日々の生活に例えるならば、新聞のヘッドラインを読んで、それが自分に必要な情報かどうかを判断するようなもので、ラベルや店頭POPから、それが自分の嗜好に合ったものかどうかを判断しなくてはいけないのです。
当たり前のことを言っているようなのですが、そこがポイントです。一般的な清涼飲料水は、多くの情報を持っていないので選択基準は少なく、学習の必要もありません。ですが、ワインは情報が膨大なため、どうしてもある程度の知識が必要になるのです。
例えば、価格。高いワインはどうして高いのか?先日フランスの首相官邸のワインがオークションにかけられ、2004年のロマネ・コンティが1万500ユーロで競り落とされました。ワイン1本に150万円?しかし、その希少性と価値を理解できるようになると、その価格にも納得できます。
とはいえ、ワインは嗜好品です。「良いものを理解する」のもいいですが、「好きなものを飲んで楽しめる」ようになるのが一番! 連載を読み進めることで、皆様の「好きなワインをたくさん楽しめる」ようになるお手伝いになれば幸いです。