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第3回 ブドウからワインを選ぶ:カベルネ・ソーヴィニヨン

ワインを楽しむ基礎レッスン


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収穫時、緑が美しいボルドー オーメドックのブドウ畑。


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ボルドーの街の中心に流れるガロンヌ川。古くはワインの運搬にも活用された。
 
 
 
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 ブドウの皮と種の成分の抽出を促すために、ワインをタンクから抜いて、また戻す。
この作業はアルコール発酵中、日に数回行われる。
 
 
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アルコール発酵中のブドウ果汁。まだ完全なワインにはなっていない。


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ボルドー五大シャトーのひとつ、グラーヴ地区の格付け第一級 シャトー・オー・ブリオン。
使用ブドウ品種は、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー。


昨年の10月始めに、収穫時期のボルドー地方オー・メドック地区のワイナリーを訪ねました。住まいのあるパリからボルドーまで、高速鉄道TGVで3時間ほど南に下ります。想像以上に暖かく、日差しも強く、フランスの南西に位置する名高い銘醸地ボルドーが、実に温暖な地域であることを実感しました。

訪ねたワイナリーの方曰く、昨年はとても収穫のタイミングを見計らうのが難しい年だったそうです。ブドウが熟するのが例年より遅かったのですが、あまり遅い時期まで熟すのを待っていると、今度は(貴腐してしまうため)求めるものと違う味が出てしまう。自社ワインのオリジナリティを保ち、そのクオリティを高めつつ、かつリスクを最小に抑えるタイミングで収穫の指示を出すのは、まさに至難の業。タイミングやリスクの計算が難しいのは、あらゆるビジネス共通ですね。

さて、ボルドーの赤ワインに使われる、この地域原産のブドウといえばカベルネ・ソーヴィニヨンです。各国で栽培されていて、最新の調査によると栽培面積は世界一となっているそうです。

「カベルネ」とだけ呼ばれることもあります。関連品種のカベルネ・フラン、カベルネ・ブランなども存在するのですが、一般的にはカベルネというとカベルネ・ソーヴィニヨンのことのことを指すので、レストランやワインショップなどで「好みの品種はありますか?」と質問されたときに「カベルネです」と答えれば、この種だと理解してもらえます。

カベルネの特徴は、渋み成分タンニンがしっかりあることと高い酸、カシスやアメリカンチェリーのような果実の強い香り、そしてミントのようなハーブの香り。樽で熟成させることによって、燻製やバニラ、コーヒーなどの香りが加わります。

この特徴だけ述べると渋みが強く酸っぱい、といった印象を持たれるかもしれませんが、実際には柔らかい飲み口で優しい酸を持つもの、また力強さよりも女性的でベルベッドのようなテクスチャーを感じさせるものもあります。造りや産地などによって味わいが異なるので、根気強く何本も飲んで、好きなワインを探していただければと思います。

また、カベルネで造ったワインはタンニンと酸が豊富なおかげで、長期間の熟成が可能になります。どれだけの期間の熟成が可能かどうかは、ワインのクオリティによります。数年から、良いものは数十年単位で保存でき、素晴らしいワインに成長する可能性があります。

ボルドーでは、伝統的にカベルネだけでなく、メルローという別の品種とブレンドしたワインが造られてきました。なぜなら、メルローを加えることで、互いの短所を補いあい、よりバランスのいいワインを造ることができたからです。メルローはカベルネに比べると香り、味わいが弱め、タンニンと酸も少ない品種ですが、しっかりしたボディと高いアルコールを持っています。現在ではカベルネ・ソーヴィニヨンだけ、メルローだけでも素晴らしいワインが多く造られていますが、この伝統的ブレンドがカベルネ・ソーヴィニヨンを使うときの世界でのスタンダードとなっています。

カベルネは、温暖な気候の地域でのみ育てることのできる品種です。冷涼な地域では熟することができず、味わいに欠けるワインしか造ることができません。また、より温度の高い地域でも、別の魅力を持ったワインとなります。特徴としては、よりボディが重くなり、タンニンは柔らかく、果実味が強くなります。

では、有名な産地をご紹介しましょう。ヨーロッパ以外でも、高品質なカベルネのワインが多く生産されています。


●フランス ボルドー
フランスの南西部に位置するボルドーは、大西洋に面した温暖な海洋性気候で、秋が長く暖かいのが特徴。カベルネにもメルローにも、理想的な気候でした。有名な産地として、メドック、オー・メドック、グラーヴ、ポムロール、サンテミリオンなどがあります。シャトー・マルゴー、シャトー・オー・ブリオン、シャトー・ムートン・ロートシルトなどの偉大なワインは、ご存知の方が多いでしょう。

オーストラリア クナワラ、マーガレットリヴァー
クナワラのカベルネ・ソーヴィニヨンのワインは、ミントやユーカリのような爽やかなハーブ香が特徴。西側のマーガレットリヴァーでは、カベルネだけのワインとカベルネとメルローのブレンドワインが造られています。

●ニュージーランド ホークス・ベイ
この地区のワインは酸は中〜高め、タンニンも中〜多め。シダーウッドのような香りが特徴です。

●アメリカ合衆国 カリフォルニア州ナパ・ヴァレー
カベルネ、メルローともにそれぞれ単体のワインも造られ、ボルドーのようなブレンドワインも造られています。ボルドーの5大シャトーの1つ、シャトー・ムートン・ロスチャイルドを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドとカリフォルニアワインの重鎮ロバート・モンダヴィが手がけるオーパス・ワンなど、カベルネを使ったスターワインも数多くあります。

●チリ マイポ・ヴァレー
力強い黒果実の香りとピーマンのようなハーブ香りが特徴。同じくボルドー原産でチリで多く育てられているカルメネール種とのブレンドワインもあり、このブドウとブレンドした場合には深い色合いと胡椒のようなスパイシーさが加わります。

●アルゼンチン メンドーサ
カベルネ単体、またアルゼンチンで多く育てられているマルベック種とのブレンドがあります。伝統的に樽熟成の期間が長く、そのため革や肉などのフレーバーが加わっていることが特徴ですが、フルーティなモダンな造りのものもあります。

●南アフリカ  ステレンボス
メルローとのブレンド、またカベルネ単体のワインが造られます。オーストラリアやカルフォルニアのワインに比べると、果実味が控えめでハーブの香りが強めなのが特徴。タンニン多めで、酸が高く、ボルドーのワインに近い味わいです。

ブドウ品種の一定の特徴はあるものの、造られる国・地域の気候、醸造スタイルなどによって、ワインの香りや味わいはまったく異なります。価格の幅も、1本500円程度から数百万円まで、まさにピンキリ。今まで訪れた国のカベルネから試すのもいいですし、世界中のカベルネを集めて旅する気分で飲み比べるのも楽しいもの。ぜひ、お気に入りの一本を見つけてみてくださいね。

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