ビジネスの世界でいま、一番重要なキーワードは何か。
“こだわり”は企業活動のなかで欠かすことのできない要素である。
こだわりの商品、こだわりのサービスを提供しているところは繁盛企業が多い。
成熟している住宅市場に波紋を投げかけている専門住宅メーカーがある。
「化学建材を極力排除し自然素材を活用する住宅メーカー」の異名を持つのが
株式会社千年の杜(本社・大阪府吹田市、大証二部)である。
一般の住宅寿命は平均で21年といわれているが、
同社は「100年住める家づくり」を目指し研究開発で生まれたのが画期的な本物住宅である。
バウビオロギー(建築と医療を融合するという概念)の新しい建築の考え方にもとづいた
独自住宅ブランド「千年の杜バウビオホーム」である。「アンデール」という住宅商品名で販売されている。
自然素材の家「アンデール」は外壁・内壁にスイス漆喰を使用し、屋根に天然石、フローリングに天然ムク材を使用している。
また、塗料に亜麻仁油、接着剤にニカワ、柿渋、ヒバ油、木酢液を使用するという。
出来る限り化学物質を排除した自然素材の住宅である。
自然素材に加えて、手間のかからない独自工法で建築している。
これだけこだわった住宅だが、価格は一般住宅とほとんど変わらない。
同社の高橋誠社長は「有言実行」「即断即決」が口ぐせの人である。
不言不実行は大嫌いである。言いなが ら、一緒に行動をするというのを信条にしている。
何事に対しても「すぐに決めてやる」というのが高橋社長のイメージ、とある幹部社員はいう。
経営環境が急激なテンポで動いている中で、スピード経営の陣頭指揮を取っているといってもいい。
企業におけるスピードは、何事にも変えがたい戦略の一つである。
「本格的な健康住宅とシックハウス」の関連を医療関係者と合同で研究を続けている。
最近、シックハウス対策の権威である北里研究所病院の坂部貢教授を招いて
「子供をシックハウスから守る住まい選び」というテーマのセミナーを実施した。
一般、医療関係者など関心が高まっていて、セミナーそのものは好評を博した。
“こだわり住宅”を追求している同社が展開する本物の健康住宅は21世紀型住宅である。
経営者のこだわりが生み出した理想的な住宅でもある。
高橋誠社長は
「身体に悪い建材は使わないことです。シックハウス症候群、化学物質過敏症に対しては専門家の
バックアップが必要です。これから、本格的な健康住宅の市場は拡大していくに違いない」
と分析している。
上妻英夫