最近、都内の人気店は俗に言う「予約がとれない店」が増えました。
SNSが万能な時代、食べ歩きというのは「一回行ってみる」という願望が強いようで、予約が困難な「旬な店」に人気が集まるのは仕方ないのでしょう。
ただ、食材は毎年気候の変動などで、時期も異なりますし、どれひとつとっても同じということはありません。したがって、通いながら暦に応じた瞬間を感じたいのであれば、食べたいときに予約して食事ができることって大切に思うのです。
そんな四季折々の素材に向き合い、器用な包丁さばきでお客様を魅了して、目黒駅に近い武蔵小山で、地域密着でがんばっているのが『蕎麦割烹倉田』でございます。
まずは、先付けから山城茄子の含ませです。 菊花ゼリー、原木椎茸、新イクラをのせています。菊を飾った華やかな先付けからスタートですね。
9月9日は重用の節句です。その昔、奇数を「陽数」と言っておりまして、陽数の最大値である「9」が重なる9月9日を「重陽」と呼びます。
旧暦のころは今の10月9日のタイミングでした。このころ菊の季節だったので「菊の節句」と言います。
続いては、会津牛と天然のきのこです。
牛ときのこの相性はいいですね。
お酒は、三連星 火入れ原酒 ひやおろしです。
北海道 瓜生の 「レラノカオリ」でそばがきです。
中に帆立が射込んであります。
吉田牧場のカッチョカバロ、雲丹をのせ、小豆島のオリーブオイルふりかけていて、洋風の装いです。
銚子の3.3kgの真鯛 菊花造りにて。
添えているのは、余市の鮟肝です。
お酒は洗心。
続いては、握り4カンです。
ロ、血合いぎし、真鯖、真鯛の昆布〆。 寿司もおいしいです。
対島の煮穴子の握り
山葵と青胡椒をのせて
大きな握りです。
穴子が大変おいしいです。
続いてのお酒は鳳凰美田です。
網走の銀鱈 柚庵焼き
そばつゆと薬味がきまして、いよいよお蕎麦です。
『蕎麦割烹倉田』は蕎麦粉をいろいろ使い、打ち方を変え楽しませます。
これだけの蕎麦粉を使う店はあまりないでしょう。
いつ来ても見事な薬味です。
でも、倉田さんの蕎麦には実は薬味が不要なんですよね。
まずは、出雲 猿まさ小蕎麦
土のようなニュアンス、ナッツのような
八ヶ岳 信濃一号
こちらでいただきます。
甘さも香りもあります。
鱧と松茸の蕎麦
鱧の頭の出汁に塩だけで味付け
そばは陸秋蕎麦で、松茸は岩手だそうです。
シャキシャキの松茸の食感がよく、鱧の頭のだし汁に松茸の香りが移りうまいです。
デザートは山梨山葡萄、シャインマスカット、梨です。
奇をてらわない創意工夫があります。
何度来ても飽きないお料理ですね。
近くの人うらやましいですね。
〒142-0062 東京都品川区小山3丁目2−18 1F
電話 03-5773-1268