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187軒目 「“変タイ”鮨すがひさ @東京都@虎ノ門ヒルズ ステーションタワー ~変タイ鮨の可能性は」

大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

 『変タイ鮨すがひさ』は溝の口の久本神社のとなりにあった『鮨すがひさ』のイベントから始まりました。私も、会員でもある菅さんに貸し切りイベントのお願いしをしましたが、とても人気でした。

 その人気が高じて、このたび『虎ノ門ヒルズ ステーションタワー』に移転して常設の店としてオープンしました。
 「変タイ鮨」の可能性を取材すべく、とある日のランチに訪問し、菅さんにインタビューをして参りました。


 虎ノ門ヒルズにオープンした当初は、コースに盛りだくさんのお料理を組み込み税込23,000円で営業はじめたそうです。今年のGWからつまみ3品、握り10品の構成に変えて税込18,000円に変更したとのことです。



 今日はノンアルコールのペアリングをつけてみました。

 
 アペリティフとしてコンブチャ(KBT)が提供されます。

 海外のレストランにはコンブチャ(KBT)はふつうにありますが、日本ではまだあまり見かけないドリンクですね。爽やかな味わいでおいしいです。


 お料理は、ボタンエビのミヤンカム(ミヤンカムとはタイの前菜料理)からスタートしました。


 
 さて、菅さんの板にのせた生春巻きを見せるパフォーマンスが始まります。


 パフォーマンスと言うと小倉のあの強面の鮨店の大将を思い出しますが、SNS時代ならではのやり方ですね。わかりやすいやり方です。もちろん、嫌いなかたはいらっしゃるわけで、好みは別れると思います。


 二品目は名物料理の〆鯖の生春巻きです。
 生春巻き、すなわちライスペーパーで〆鯖と野菜を巻いた料理です。今回は野菜がスティック状になっています。スティック野菜のテクスチャと素敵な酸の味わいがおいしさの落としどころですね。

 ちなみに、個人的には「カリッ」、「ぱりっ」のような強いテクスチャは外側にして内側は「ふわ~」とか「とろ~」のほうがおいしさの加点は高いように思います。余談です。


 三品目は、鯛の白子、グリーンカレーの茶碗蒸しです。

 カレーの味わいが玉子に合います。なかなかおいしいです。


 続いて「NON」というさわやかな酸のドリンクがガリとともに提供され、握りに入ります。ガリは名物のディルがりです。


 このガリは会員でもある高知の「あさの」で作っているようで、青パパイヤと生姜のガリです。浅野さんが青パパイヤまで育てていたとは知りませんでしたので、驚いております。


 菅さんから香草やハーブのソースを見せていただきましたが、すごいバリエーションのフレーバーですね。これを駆使して意外性ある握りが出てきます。


 その前に、ほぐした平貝と蕗味噌が提供されました。こういう料理をさりげなく出すと良いですね。
 
 インタビューで菅さんはお料理に日本の季節を反映して飽きの来ないメニューを展開してリピーターを増やしていきたいとのことです。


 さて、握りです。最初の握りは真子鰈です。

 辛くないシーフードソースがのっています。シーフードソースはパクチー、ライム、ナンプラー、ミントのペーストだそうです。


 ふたつ目の握りは白烏賊です。
 カイケム(塩玉子にナンプラーと海老のみそ)がのっています。


  続いてはマカジキで、マンゴーと青唐辛子の味わいです。
 辛さがじわっと持続します。



 四つ目の握りは鮪の赤身です。
 自家製のナンパリック(唐辛子の水)につけています。唐辛子、ニンニク、レモングラスの風味だそうです。


 続いて、鰆です。
 バイマックル(コブミカン)を刻んでペーストにして、バジルを入れてガパオにしたもの挟んであります。独特なスパイス感が面白いです。


 『変タイ鮨』はタイ料理の既知と経験があると楽しいと思いますが、そうでないと未知の味わいですね。男性にパクチーが苦手でまったくタイ料理を食べない人がいらっしゃいますが、そういう人だと面白いのか、面白いのかわからないで終わるリスクはあるかもしれません。


 ノンアルコールペアリングの三種類目はスイカジュースです。
 ライムが入っていて、これが良いですね。



 さて、6カン目の握りは鯵です。
 青唐辛子、ライム、ピーマンのフレーバーだそうで、ピーマンの青臭さの印象です。青魚だからなのでしょう。


 7つ目の握りは「となりのトトロ」に見立てた中トロです。
 キメポーズで提供されます。

 ラークと言うサラダのタレ、ハーブをいろいろ合わせてあるそうで、酸味はライムだそうです。シャリシャリした食感がありますが、餅米だそうです。


 いよいよ残り三つですね。
 名物の車海老です。トムヤンクンの味わいの握りなはずです。

 今回は青シャリで提供されました。
 青シャリは海老の出しとバタフライピーで炊いたシャリだそうで、バタフラピーの色は酢を加えると色がとんじゃうので酢の味はありません。

 バタフライピーというと”ピカソ”作の群青のブイヤベースを思い出しますね。菅さんもある意味ピかソですが。

 9カン目は雲丹比べだそうです。

 その手は“桑名の蛤作戦”ですね。“タイの雲丹”と称してお客様に見せています。

 となりには年配のご夫妻が食事されていますが、高度経済成長期戦士らしく“タイの雲丹”を説明のまま信じてますね。まあ、魔法にかかっているという感じです。


 味は、「マッサマンカレー」ですが、そのご主人には未知の味でしょう。

 浜中の雲丹もトムカーガイに見立てて来ました。トムカーウニと命名されたそうです。。



 〆はバナナの葉で炙った穴子です。
 シナモン風味のツメを塗って、香りよく、これはこれでおいしいです。


 最後に、鮪の太巻きで「ミヤンカム」だそうです。
 食感がいろいろでタイ風ですね。



 留め椀の海老の濃厚なスープが出てきました。

 これはトムヤムクンだったのか・・・


 最後に白い玉子焼きです。

 お腹いっぱいだったので注文しませんでしたが、名物の“いなり”を追加またはお土産で注文することを忘れずにですね。


 『鮨すがひさ』という店名が紛らわしいと感想を述べると、菅さんから『変タイ鮨すがひさ』の店名で申請したが通らなかったそうです。森ビル、固いなぁ。

 あまり言うとネタバレになるし、かと言って「出色」の鮨屋であることには間違いないでしょう。イベントの時はタイ料理も食べ歩いていた人が来ていたわけですが、タイ料理屋好きな男性で格好良すぎますかね。タイ料理が好きな人にぜひ行っていただきたい店でございます。

 タイ料理に既知があっておもしろい業態だと思いますが、その辺をどうお客様にわかっていただくのか、この後、インタビューでお聞きすることにしましょう。

 

鮨すがひさ
〒105-0001 東京都港区虎ノ門2丁目7 4F
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー

※予約はこちらから

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