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税務・会計

第31回 行動予定表で3カ月先の明日を語らせる

新・会計経営と実学

第4回目の会議から、前月実績だけでなく、今月どうするのかということについても
語ってもらうことになりました。

しかし、月の半ばの会議では、予定を立てても、すでにもう半分の期間が過ぎています。

製造部門からは、
 「営業部門からもっと先の情報をもらわないと仕入や外注先への発注の予定が立たない」
という声が聞こえてきました。

そこで、
各部門のリーダーが話し合い、3カ月先の予定を立てて発表することになりました。
さらに、
 「数字を追いかけるためには、行動が伴わないといけない。
  その行動もみんなの前で発表させたい。
  そのためにはどのようなシートを作ればよいのだろうか。
  リーダーが明日を語れるシートの作り方をぜひとも教えてほしい」
と、社長からの要望が出てきました。

下の表を見て下さい。
tam31.jpg
この表の左側には、前月9月分の結果を記入します。
結果数字を前月立てた予定と比較します。
右側には、今後3カ月の予定数字と、その予定数字をどのように達成していくのかという
行動目標を記載します。
 
たとえば経費の予定が60だったのに実績が200になった場合には、
 「経費が140増えました」と説明するだけではなく、
 「行動予定に対して、実行できたのかできなかったのか」という行動結果と、
 「なぜこれだけ増えたのか」を記載するのです。
 
しかし、今まで明日のことを考えたことのない人が、3カ月先のことを考えるのは、
決して簡単なことではありません。
そこで、まずは来月の予定だけを立ててもらうのです。
これを数カ月続けて行きます。
 
その中で製造部門からは
 「3カ月後の数字をしっかり立ててくれないと生産計画が立たないし、
  僕たちの予定数字を出せないんだ。早く何とかしてくれ」
とか、逆に、営業部門からも
 「我々が何としてでも、この受注を取ってくるから、製造部門の方でも
  納期に間に合うように予定を立ててくれ」
というように厳しい意見が出てきます。
 
このように各部門が切磋琢磨しながら、毎月毎月予定を立てる努力をしていれば、
自然と明日を考える力が付いてきます。
そして数カ月が過ぎると、3カ月先の予定を容易に立てることができるようになるのです。
 
また、このシートの形は、業種によっても異なってきます。
 
建設会社の長期工事では、受注から完成まで1年以上かかる物件もありますので、
こうした場合には、1年先の予定を記入する必要があります。
 
そこで、予定の枠を増やし、工事の工程を考慮しながら数字を記入していきます。
 
このように、業種によって、どの数字を追いかけなければならないのかを考えて、
臨機応変にスタイルを変えればよいのです。
 
どのようなスタイルにするのか、リーダーの意見を聞いて、
 「わが社にとっては、この行動予定シートでやりましょう」
というものを作り上げて下さい。
 
ぜひとも、この行動予定シートを、会社の明日を語り合うツールにしていただきたいと思います。
 

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