menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第三十二話 とにかく動け(ウイリー)

社長の口ぐせ経営哲学

宅配ピザチェーンを展開する(株)ウイリーは、10円の一口饅頭「拾圓小饅寿(じゅうえんこまんじゅ)本舗」(12店)
とおむすび専門店「おむす人」(20店)の新業態を打ち出し積極的に事業展開している。
「拾圓小饅寿(じゅうえんこまんじゅ)本舗」は一年前、「おむす人」は二年前に始まったばかりの新しい業態である。


飽和状態の飲食業界の中で、この二つの業態は徐々に注目を集め始めている。
短期間に店舗展開も進み、地域に密着した商売として加盟希望者も増えている。
特に、中高年、主婦の独立開業の業態として関心が寄せられている。


「拾圓小饅寿(じゅうえんこまんじゅ)本舗」は1個10円の“10円饅頭”を売る業態である。
すべて店舗で蒸したてを提供するので、いつもあったかい饅頭が食べられる。
1個10円という価格設定も消費者に対してのアピール度が高い。
一口サイズで食べやすく、皮はしっとりしつつも、もっちり感があり、常に新鮮さが感じられる。


「おむす人」はおふくろさんの温もりと家庭の安らぎが感じられる業態である。
店舗スタッフはすべて女性、店長を“おふくろさん”、パートさんを“むすび手さん”と呼んでいる。
特徴のあるおむすびは、コンビニおにぎりの1・5倍の大きさ、コシヒカリを釜で丁寧に炊き、
熱々の状態でむすぶため、機械的なコンビニおにぎりと比べ、温かみのある商品である。


おむすびと10円饅頭がドッキングした複合業態にも注目されている。
小さな店舗で稼げる飲食店である。開業資金も比較的低く、技術的にも参入しやすい。
同社の橋口政治社長は「温かみを前面に打ち出した飲食業」と自信を持つ。

同社の社是は「夢と行動と感謝」。
橋口社長は現場でスタッフに「とにかく動け、頭で考えていても始まらない」と檄を飛ばす。
世の中、変化の激しい次代には、朝令暮改は当たり前、すぐに手を打つことが大事だ。


社長自ら動いている。
行動を起すことで、次の展開が見えてくるという。先が読めない時代だからこそ、行動しながら、考え、次の手を打つ。
この連続した仕事ぶりが繁盛への好循環に変わっていくのである。
実は、新業態が生まれた背景にも、「とにかく動け」の口ぐせがある。
パン、和菓子、豚鰻、弁当、ピザなどを手がけてきた橋口社長は次々の新業態のアイデアが、動いていると出てくるという。


おむすびや饅頭という、昔からある食べものでも、新鮮な切り口で取り組めば、新業態として十分成立することを証明している。
「稼げる飲食業」を商売人なら誰もが模索しているものだ。
販売の最前線の現場を歩き、消費者の本音を掴み、いい商品を開発して、消費者に提案する。
橋口社長は率先垂範の行動する人である。
 

                                                     上妻英夫

第三十一話 基本を大切に(あんだんて)前のページ

第三十三話 徹底して考えろ(ダイセイコー)次のページ

関連記事

  1. 第十一話 正直な商売をしろ!(殿村食品)

  2. 第四十話 過ぎたらダメ(スカイ.A)

  3. 第七十四話 「人と人のつながりが鉄則だ」(株式会社パワー工業)

最新の経営コラム

  1. 【昭和の大経営者】ソニー創業者・井深大の肉声

  2. 「生成AIを経営にどう活かすか」池田朋弘氏

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 経済・株式・資産

    第15回  激変する環境下の資産保全を考える
  2. マネジメント

    第252回 同じ商品を違う人に売る
  3. マネジメント

    挑戦の決断(36) 鍋島騒動(穏便なお家騒動の収め方)
  4. キーワード

    第143回 AI活用時代
  5. 人間学・古典

    第14人目 「エイブラハム・リンカーン」
keyboard_arrow_up