“ビジネスに境界はない”をモットーに書店・出版事業、健康食品などの通販事業を柱に成長を続けているのが
(株)ダイセイコー(本社・東京都中央区銀座)である。
41歳脱サラで起業した青柳清社長は、
「命を削って人を創る」(社是)で人材育成を重視、女性社員の戦力化 など、積極的な事業展開で業績を伸ばしている。
創業して29年、辛酸をなめるような事業の失敗も多く、また、逆に、書店のレジ脇から生まれた通販事業、
書店から生まれた出版事業、関連事業として高齢化社会の先取りの日本スポーツ吹矢協会(会長が青柳氏)の発足と、
現場から次々に新しい事業が生まれている。
新しい事業が生まれる発想の源は何か。
「1日24時間、1年365日間、毎日考えています。考え続けていると『あ、これはこうすべきだ』という念い(おもい)に至る。
大事なことは念い続けることです」という。
仕事をしている上で大事なことは、人との出会いを大事に、とことんその出会いを大切にすること、と言い切る。
社員や社外の青柳社長を知る人は「子供のようなういういしい好奇心と誠実さの人」と親しみを持って語る。
29年間の企業経営では数多くの人の応援を得ている。
実は社名の由来は、脱サラ当時、友人や知人からの激励の言葉に必ず「大成功してください」という一節があり、
それを肝に銘じて名付けられたという。
青柳清社長は事業の多角化に独自の視点を持つ。
「周辺にビジネスチャンスあり」「お互いの分野で助け合って会社を存続させる」ということを踏まえた上で、
自社の得意な分野から着手していくというのが特徴である。
たとえば、書店営業で外回りをしていたら、顧客から「本ばかり持ってこないで、おいしいものでも 持ってきてよ」
という一言がきっかけで、産直の通信販売が始まったという経緯がある。
同社の2007年のスローガンは「燃えてこそ命」である。
青柳社長の持論の一つが、「燃えずして何の命か」「燃えずして何の人生か」である。本年のスローガンに結晶している。
日常の仕事でも社員に対する口ぐせは
「考えて考えて考えつくすのだ」「自分の頭で考えることが大切」「徹底して 考えろ」という、
自己の発想を重視する言葉で激励を続ける。
ダイセイコーはその名の通り、「創造と変身」を繰り返しながら間断なき成長のカーブを描いている。
変化に富んだ激しい時代に生き残れる企業というのは、時代適応業の要素を持つ企業である。
同社は社長自ら率先垂範の姿勢と『創造の精神』を持ちながら、走り続けているだけに、更なる成長が期待できる企業であ る。
創業者が元気に指揮を取り、「命を削って人を創る」ことに徹した時、更に注目を集める企業になる。
上妻英夫