menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第三十一話 基本を大切に(あんだんて)

社長の口ぐせ経営哲学

「世の中にない、いいモノをつくろう」と化学技術者一筋の有田浩三氏(69歳)は6年前、役員定年後、
未経験の「できる限り髪と肌にやさしいシャンプーづくり」に挑戦し、開発・販売会社の有限会社あんだんてを立ち上げた。
シャンプーは高級アルコール系85%、石けん系 5%、アミノ酸系10%という市場である。
その中で、注目を集めているのがアミノ酸系である。このアミノ酸系を主剤としたシャンプーづくりに挑んでいる。


会社を起こしたきっかけは、掛け値なしで、いいモノを市場に出すには自分でやるしかない、という結論に達したからだ。
有田氏は東京生まれで、有名校の都立小山台高校、慶応義塾大学工学部応用化学卒である。
日東化学工業(現三菱レイヨン)に20年、川口化学工業(東証2部)で20年、
一貫して研究畑とプロセス設計の専門家として働いた。


同社の商品は身体にかかわりの深いアミノ酸、糖類、脂肪酸などの特性を活かし、使用感の良さが特徴である。
使用感で言えば、「きめ細かく心地よい泡立ち」 「肌と傷んだ髪に潤いとつやが出る」「ヘアカラー(白髪染めも)、
ヘアマニュキュアの色が長持ち」「リンスがいらない分、楽で肌への刺激も少ない」「洗面器、浴室の汚れが少ない」など。


シンプルイズベストの考えで配合設計しているという。
だから、シリコーン系コンディショニング成分、増泡成分、増粘成分は一切配合していない。
いいモノづ くりに挑戦しているだけに、商品にはかなり自信を持っている。
有田浩三社長は日本化粧品技術者会正会員で、シャンプーづくりの専門家である。
単純に、天然シャンプーでなければいけないというものではないという。


アミノ酸系を主剤としたシャンプー、石けん系シャンプー、そして、高級アルコール系シャンプーと、
すべてのシャンプーの特徴に詳しい有田氏は、ユーザー側の体質や好みなどの状況に応じて選べばいいという。
有限会社あんだんての「あんだんて」は音楽用語で、
ゆっくり歩く速度の感覚で、「焦らずゆっくりやろう よ」の精神からネーミングした。


有田氏の経営信条は「基本に忠実に」「本当にいいモノを使ってもらう」である。
「基本を大切に」が口ぐせである。化学技術者らしい発言である。
「基本」の上に、「異なった視点」で新しいモノづくりが始まる、という考えである。


汎用品にはない特長を活かしたマーケティングをして行こうと考えている。
有田社長はサラリーマンから役員定年後、63歳で会社を起こしたが一番大事なこと は何か、
と問われれば、「人間関係」「仲間」「友人」、つまり、「人」に尽きるという。
顧客のニーズを的確に把握して、開発に活かしてこそ、本当にいいモ ノづくりができることを実感したという。
 

                                                                           上妻英夫

第三十話 皆で理念を共有しよう(サンテ・コーポレーション)前のページ

第三十二話 とにかく動け(ウイリー)次のページ

関連記事

  1. 第四十五話 「信用を築くには百年、失うのは一瞬」(ディグ)

  2. 第五十五話 「お客が大事」「夢を持つ」(炭火マルイチ)

  3. 第七十話 「真似をしないこと」(カーメイト)

最新の経営コラム

  1. 第91話 その町工場はなぜシェアトップか?

  2. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳 2025年2月5日号

  3. 第68回 先人の教え⑤ 森光子

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. ブランド

    Appropriate(ふさわしい・最適)3「晴れの日のバストアップイメージ」-...
  2. マネジメント

    故事成語に学ぶ(19) 唇亡ぶれば歯寒し
  3. 経済・株式・資産

    第113回「官公庁DXの急進展よって成長性が加速の見込み」サイバーリンクス
  4. 戦略・戦術

    第83話 「倒産を避けるのは 復元力です」
  5. 経済・株式・資産

    第83回「今年の資産運用の展望」
keyboard_arrow_up