menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

経済・株式・資産

第150話 材料費の高騰は利益を増やし、税負担を重くする

あなたの会社と資産を守る一手

 材料費の高騰は利益を増やし、税負担を重くすると書くと、理解できないかもしれません。現在のように材料費が高騰していくと、儲かっていないのに、キャッシュとは無関係な実体のない利益が増加し、しかも経営者がそれに気づくのは、よくて決算日後ということになります。

 じっさいのところそのことに気づく経営者は優秀なほうで、多くの経営者はそれさえわからず、実感とは大幅に解離した利益に、理由もわからず「どうしてだろう?」と思う程度です。

 この実感できない利益の増加を促すものが最終仕入原価法(注1)というものです。

 下記の損益計算書をご覧いただけるとわかるように、損益計算書の最初に表示される利益が売上総利益(租利益)で、売上から原価を引いて出てきた数字です。

 売上原価とは、製造業でいえば、その売上を生むために使われた材料費、製造部門の人件費、製造のための外注費・経費などで、税務上損金で落とせますが、逆に、売上を生むためには使われなかった材料は在庫となり資産計上されます。

 この資産計上は最終的に利益となります。

 では、なぜ材料費が高騰すると棚卸金額が増加し、利益が増え、税負担が増えるのか?

 ひとつの例で示してみます。

 今まで1個1万円で仕入れていた材料が、299個在庫であったが、最後に1個2万円で仕入れたと仮定すると、合計300個のその材料棚卸金額は300個x2万円で、600万円になります。仮に最後の1個を今まで通り1万円で仕入れていればその材料棚卸金額は300万円なのです。

 これでおわかりいただけるように、最後に1個2倍の単価で仕入れたために、その材料に係る材料棚卸金額は300万円も増えてしまうのです。

 そして、その棚卸金額は利益の大幅な増加につながり、思わぬ税負担の増加につながっていきます。

(注1)最終仕入原価法
最後に仕入れた1単位あたりの取得単価で、期末の棚卸資産を評価する方法で、税法上で最終仕入原価法の適用が認められているため、中小企業の多くで採用されています。なお、上場企業は別です。

第149話 顧問税理士に聞いてはいけないこと前のページ

第151話 「役員借入金の減少」に着目せよ次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連セミナー・商品

  1. 社長と会社の資産を守る法CD

    音声・映像

    社長と会社の資産を守る法CD

関連記事

  1. 第95話 中小企業の粉飾決算(1)

  2. 第133話 経営とリスク(18)

  3. 第32話 利益を増やすには「B/Sを意識したビジネスモデル」が必須

最新の経営コラム

  1. 相談12:銀行から事業承継の提案を受けましたが、どうも腑に落ちません。見ていただいてよろしいでしょうか?

  2. 稲盛和夫に学ぶ、社長のための会計と経営判断

  3. 第197回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方121『仕事が早い人が必ずやっている準備のしかた』

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 社員教育・営業

    第5回 “経営が厳しい会社”の全員営業の活用法【問題提起...
  2. 採用・法律

    第169回 退職者が退職代行を使ってきたら
  3. マネジメント

    失敗に原因あり(6) 大義を貫くためには権威を利用せよ
  4. キーワード

    第1回(イメージを大胆に変える)「グレートアントニオ」
  5. 経済・株式・資産

    第13回 利益重視の遺伝子が躍進を支える「伊藤園」
keyboard_arrow_up