「破たん、倒産後に会社の資産、社長の個人資産はどうなりますか? 」という質問をよく聞く。
質問のしかたは必ずしも そのとおりではないのだが、経営者にとって聞きたいことはそこに集約されるようだ。
この質問にたいする答えは、資産と債務のバランスで異なる。
簡単に言えば、 元本、利息、遅延損害金を含めて返せるだけの資産があるかどうかで、すべては決まる。
会社・社長・保証人の資産 > 借入金残高 〔元本、利息、遅延損害金〕
なら資産は残り、
会社・社長・保証人の資産 < 借入金残高 〔元本、利息、遅延損害金〕
の場合、すべての資産を失うことになる。
会社・社長・保証人の資産が多ければ多いほどいいのだが、同時に資産売却で全額返済できるのなら早めに資産を売却するということが肝になる。
それは、期限の利益を喪失して全額償還が求められたとき、遅くなれば遅くなるほど、 10%を超える遅延損害金(18.25%とか14%など約定書に記載されています)まで全額とられてしまうからだ。一度信用を失えば、この部分での金融機関の対応は慈悲がないものになる。
ただし、債務者でも保証人でもない人が持つ資産には、当たり前だが何の影響もない。保証人でない経営者の妻がもつ不動産は安泰なのだ(ただしそれが会社の債務の担保になっている場合などは別です)。中にはそうやって資産をわりふり、会社に何かがあってもうまく資産を残していこうとする経営者もいる。
ここまで読んできて、 遅延損害金(18.25%とか14%など約定書に記載されています)というのが破たん時には大きな影響を持つと思う方も多いと思う。
実際、資産売却が遅れれば遅れるほどこの遅延損害金が大きい負担になる。
「これをまけてもらうことはできるか?」という質問をうけることもあるが、原則はできないと答えるしかない。ただし、一定の条件にあてはまるなら、この遅延損害金の請求額をまけてもらう、あるいはディスカウントしてもらう交渉はできるし、ディスカウントしてもらった顧客もいる。
※遅延損害金の交渉については、個別の相談に応じます。