2020年開催予定の「東京オリンピック」の理念が大揺れに揺れている。
当初は、東京都中央区晴海に選手村を設け、そこから半径8キロ圏内に
競技会場を集中させる計画だった。
誘致に際しては、選手の移動に負担が少なく、地球環境にも優しい
「コンパクトオリンピック」を理念に掲げていた。

ところが、開催5年前にして、事前の初歩的な調査不足や、
建設資材費の高騰と人手不足による会場建設費の大幅な上昇のため、
各種競技の会場を次々に変更しなければならない事態に陥っている。
会場候補地は、東京都内のみならず、埼玉県、千葉県、静岡県、愛知県と
全国に広がりを見せており、
「一体どこがコンパクト?コンパクトどころか完全にオワコンだ」
「もう、これじゃ、東京オリンピックとは呼べない」
などという声も聞かれる。

また、オリンピックに向けた会場設営とインフラ整備のための
膨大かつ急ピッチな工事は、さらなる建設資材の高騰、人手不足を生んでおり、
東日本大震災の被災地復興が遅れるなどの悪影響が出ている。
「いっそ、オリンピック開催を返上した方がよいのでは」
といった厳しい意見もある。
しかし、何事もものは考えよう。
オールジャパンで知恵と力を出し合って、このピンチをチャンスにするべきだ。