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第150回「政府の後押しもあり、急速に普及する見込みのスマートレジシステム」(スマレジ)

深読み企業分析

スマレジは外食店、小売店向けにクラウド型のPOSレジを提供する企業である。POS市場全体は大型チェーン店中心に東芝テック、NECプラットフォームズ、富士通フロンテックなどが市場を占有しており、中小の外食店、小売店向けには同社、Airレジ(リクルート)、ユビレジが競っている。

競合3社の中では、アクティブ店舗数で見て、同社が5万店強、他の2社が4万店ほどと同社が頭一つ抜き出ている。中小店舗から見た場合、iPad/iPhoneがあれば、基本的な導入コストはゼロであることから、POSレジの購入が不要な点で、大きな優位性がある。外食店だけでも国内に60万店舗があり、大手チェーンを除いても40-50万店舗あることから、依然、普及期と考えられ、中長期的な成長余地は極めて大きなものと考えられる。

ビジネスモデルとしては、導入及びPOSレジの基本機能は無料で、そこに対してクロスセルで様々な機能を売り込むものとなる。アプリで付加する機能としては、基本レジ業務としては商品登録、割引・返品、複数決済(現金・クレカ・QR・電子マネー)対応やインボイス制度にも準拠する。また売上・在庫管理としては、 リアルタイム分析(日次/時間帯/商品別)、自動発注、在庫移動、多店舗一元管理などがあり、顧客・予約管理としては CRM機能、ポイント運用、予約・受注管理などがある。さらなる拡張性としては、200種超のアプリ連携(勤怠・EC・決済)、無人店舗・非接触対応(セルフオーダー)などを揃えている。

前期までの8期間の年平均成長率は売上高で36%、営業利益で39%と極めて高水準である。また、2月に発足した高市内閣において、消費税引き下げも打ち出していることから、中小外食・小売店への対応策としてスマレジ(クラウドによるスマートレジ)の普及を打ち出していることもあり、当面も高水準の成長が継続する可能性が高い。

実はスマートレジシステム(略してスマレジ)はここにきてにわかに脚光を浴びている。これは、高市政権の公約の一つでもある食品の消費税引き下げの下地作りとして、政府が強力に推進し始めていることである。4月30日付の経産省のホームページのリリースによると、スマートレジシステムの普及に向けた取組概要が明らかになっている。

この背景は以下のようなものである。経産省のホームページから引用する。「税率変更に柔軟に対応でき、生産性の向上に繋がるスマートレジシステムの普及に向けたプロモーションの一環として、赤澤経済産業大臣及び越智経済産業大臣政務官が錦糸町商店街を訪問し、スマートレジシステムの実機体験を行うとともに、全国商店街振興組合連合会に対して、スマートレジシステムの普及に向けた協力を依頼しました。引き続き、経済産業省では、スマートレジシステムの普及に向けたプロモーションを強力に進めていきます。」としている。

このように政府による強力なバックアップもあり、スマートレジの仕組みは当面、これまで以上のピッチで普及が進む可能性が考えられよう。

有賀の眼

同社のようなサービスはSaaSと呼ばれる。これは、「Software as a Service(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)」の略称である。意味としては、「サービスとしてのソフトウェア」を指し、インターネット経由で、ベンダーのサーバー上で動いているアプリを「サブスクリプションで利用する」形となる。

年初には、AIが普及することによってSaaSはAIが代替することで不要になると言われ、これは「SaaSの死」として、株式市場では大きな話題になった。しかし、これはあまりに短絡的で、むしろ、同社のようなSaaS企業がAIを活用することで、SaaSをより使い勝手のいいものに向上させることができるものである。

同社でも、同社サービスである「スマレジ」に生成AIを組み込んで、日報の自動作成、レポートの自動生成、AIによる売上分析などを進めることで、「スマレジ」をより高機能で使いやすいものに改良を重ねている。

具体的なアウトプットの例としては、AIレポート機能がある。これは売上データから要点や背景、示唆を自動で文章化することができる。また、店舗運営の支援もすることができる。POS、決済、勤怠などのデータをもとに、現場の意思決定を軽くする方向が考えられる。

このようにAIはSaaSの死に結び付くものではなく、むしろAIによってSaaSの機能を容易に高度化できる武器と考えることができるものである。

このように、AIの普及に加え、政府のバックアップもあることで、これまで以上にスマートレジシステムの普及が加速することが考えられ、当面、同社の高成長は続こう。

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