経理の古い慣習が違法行為に!

取適法(中小受託取引適正化法、旧下請法)が、令和8(2026)年1月から施行されています。
中小企業経営者が、取適法は大企業を規制するものなので関係ないと思っていると、少し危険かもしれません。
取適法は、下請法より広範な中小企業間の取引を適正化するために改正されているからです。
特に経理部門においては、従来の「当たり前」が突然「違法行為」に変わるリスクが潜んでいるので、注意が必要です。
また、取適法の対象外の取引であっても、令和6(2024)年施行のフリーランス新法の対象になることがありますので、合わせて再確認しておきたいところです。
そこで今回は、業者間取引の経理実務の注意点について、解説します。
中小零細事業者に対する取引ルールの見直しは完了していますか?
経理担当者が実務で直面する取適法の注意点
取適法により、「契約条件の明示(書面・電磁的記録)」、「一方的な減額・やり直し・返品の禁止」、「協議に応じない一方的な代金決定の禁止」などに関して、中小事業者との取引がルール化されました。
これにより、発注部門においては、中小事業者への発注に際して契約書関係の見直しをしたことと思います。
一方で、取適法が経理実務に与えるインパクトは決して小さくありません。
これまで慣習的に処理されてきた部分が、経理の支払い段階で厳格に問われることになります。
次の3点は、経理担当者が特に注意すべき実務上のポイントです。
1つ目が、振込手数料等を代金から差し引いて支払うことの禁止です。
中小受託事業者との合意の有無にかかわらず、振込手数料を相手側に負担させ、請求金額から差し引くことは、不当な減額として違反となります。
振込手数料の控除は、以前からの慣習で続けてしまっていることがあるので、注意してください。
経理システム上で自動的に手数料を差し引く設定になっている場合は、早急に設定を見直す必要があります。
また、システム利用料や、安全協力費、協賛金などの名目で一定額を代金から天引きして支払うケースも違反になることがあるので、気をつけましょう。
2つ目が、手形払いの禁止です。
決済日に、代金を約束手形や電子記録債権を使用して支払うことはできなくなりました。
支払期日までに、相手側が代金満額を現金で受け取れない場合は、支払遅延に該当し、違反になります。
3つ目が、60日以内の支払いです。
取適法では、成果物の受領から原則60日以内に支払うことが求められます。
ここで経理が注意すべきは、起算日はあくまで「成果物を受け取った日」または「役務の提供を受けた日」です。
業者から請求書が届くのが遅かったり、現場の検収報告が遅れたりしたために支払いが60日を超過した場合、経理部門に悪気がなくても法律違反となります。
経理の支払い業務について、課題を整理し、すぐに改善しておきましょう。
経理担当者は、取適法に準拠した支払い処理をしていますか?





















