- ホーム
- 社長のための“儲かる通販”戦略視点
- 第185号 95.9%
この数字は、カゴメの通販専用野菜ジュース『毎日飲む野菜』の顧客化率で、テレマーケティングエージェンシーであるS 社が、お試し商品購入客に実施した、アウトバウンドコールの驚異的な成果である。
この『毎日飲む野菜』が発売されたのは15 年前で、累計販売本数は2 億本を突破。
2012 年には、ベルギーの食品コンクールiTQi(国際味覚審査機構)「シェフとソムリエが贈る食品・飲料アワード」で最高位の“三ツ星”を獲得しており、栄養面だけでなく味、香りについてもお墨付きを得ている商品である。
この商品に対する顧客化のプロセスは、〔TV・折込みチラシでクロスメディアプロモーションを実施〕→〔見込み客がお試しセットを注文〕→〔その顧客にDM を送付〕→〔本品注文に至っていない見込み客にアウトバウンドを実施して顧客化〕―という一般的な流れであり、特別なノウハウがあるわけではない。
アウトバウンド実施にあたっては、カゴメから①お客さま視点で提案 ②とくに定期購入コースへの加入を促す ④業務改善を進めながら引上げアップを図る ③お客さまの声の収集・分析をする―などの要望が出された。
その対応策としてS社では、ヒアリングしながら各々のユーザーに合った最適な定期購入コースを提案。
DM の内容を忘れている見込み客が多いことがわかった段階で、想定より早めのタイミングでアウトバウンドを実施するなどの改善策を講じたという。
また、お客さまの声の収集では、「空き缶がたまり、捨てるのが大変」「フタが開けづらい」といった消費者の声を引き出している。
この驚異的な数字を上げたS 社は、他のテレマーケティング会社とは異なり、オペレータごとの間仕切りがない。そのため、オペレータ同士の交流が図りやすく、顧客化に成功しているトークを共有したり、モチベーションを維持しやすい環境となっている。
また、オペレータのトークスクリプト作りにおいては、①季節のトーク、時事ネタを入れる ②会話のキャッチボールを3 回以上入れる ③各オペレータの意見はすぐ反映させる ④細部まで作りこみ過ぎない ⑤トークには必ず間を入れる―の5点を常にチェックしている。
このように、「いい商品」「最適なプロモーション」「顧客化プロセスの実施」「高度なアウトバウンド技術(信頼できるテレマ会社との連携)」という諸条件が揃えば、高い確率で見込み客をリピーター化することが可能なのだ。