この数字は、主要団体が認定している健食アドバイザー資格取得者数である。この健康食品アドバイザー資格としてあげられるのが、①健康食品管理士認定協会の「健康食品管理士」 ②(独)国立健康・栄養研究所の「NR」 ③日本臨床栄養協会の「JCNAサプリメントアドバイザー」 ④(財)日本健康・栄養食品協会の「食品保健指導士」 ⑤日本ニュートリション協会の「サプリメントアドバイザー」の5つ。
このうち、(独)国立健康・栄養研究所の「NR」は、厚労省の省内事業仕分けにより廃止が決定し、民間の日本臨床栄養協会の「JCNAサプリメントアドバイザー」へ移管される見込みだ。
また、新しい資格制度として、昨夏、「日経ヘルス」と「日経ヘルスプルミエ」(日経BP社)が、健康美容情報認定「健康美容コミュニケーターコース」(運営事務局:テクノアソシエーツ)を、一般社団法人国際栄養食品(AIFN)が、健康補助食品の教育・啓蒙活動の柱の一つとして、今夏、「AIFNオープンカレッジ認定資格制度」をスタートさせている。
このように不安定ながらも資格制度が活発化する中、日本通信販売協会(JADMA)は、今年8月より「サプリメント登録制度」を開始した。これは、サプリメントを取り扱う会員企業向けの登録制度で、正会員517社の半数以上が対象となっている。
会員企業が販売する健康食品のデータ管理を進めるJADMAは、「会員の取扱商品を把握することが目的。行政からの指導や通知、消費者とのトラブルに対し、速やかに対応できるような体制を敷くため」としている。
玉石混交状態にある健食業界の中で、ファンケルやサントリーウェルネス、オルビス、新日本製薬、やずや、山田養蜂場といった大手の健食企業を抱えるJADMAは、社会的責任を担う協会として、コンプライアンス強化に向けて、まとまって行動しようということだ。
サプリメント制度は、世界的な動きとして、通常の食品と区別して制度化することがスタンダードになっている。すでに、食品の国際基準を決定するコーデックス委員会をはじめ、欧米や中国・韓国、アセアンなど、各国でも独自制度を創設。サプリメントに対する法制度化を確立しているが、これらの国々に比べ、日本は立ち遅れている。
しかしながら健食業界は、これらの資格や制度の健全な運用を自主的に進めて、健康食品の「安全性」と「有用性」の情報提供に本格的に取り組んでおり、少しずつ前進していると見ていいだろう。