私ごとですが、2017年は蕎麦店の開業の件数がずば抜けて多かった年です。いや、過半数以上が蕎麦店でした。現在も、町中での蕎麦店開業を目指しているお客様や郊外で店舗を増やそうというお客様がおります。そんなわけもあり、新しくて面白そうな蕎麦店の話を聞くと、勉強代行を兼ねて出向いています。
今回は、トリュフ蕎麦でホットな店があるということで、訪れた北新地の店がとても印象的でかつ、いい店作りをしていらっしゃったので、ご紹介したいと思います。
訪問前、食べログのページを見ますと、サイドメニューが充実している印象がありました。これは、繁華街の蕎麦店のために勉強になるなと、人気焼肉店『万両』のオーナー、滝本昭人さんを誘って予約の上、訪問します。ちなみに、滝本さんは“肉そば”の店の開業を狙っているかもしれません。
公式ホームページ(
https://truffle-soba.com/)を覗くと…
「トリュフ蕎麦、
それは、日本一高い蕎麦、
そして、日本一旨い蕎麦」
と書いてあります。なかなか良い口上ですね。
店の場所は、以前、日本経営合理化協会主催店舗見学会で視察先に選んだバーボンバー『十年』のそばです。
店内に入ると奥にカウンターがあり、割合と席数があります。予約時間を18時にしたため、北新地にして割合と早い時間ということで、まだノーゲストです。テーブルに着くと、さっそくドリンクを促され、寒い日ですので、燗酒を選んでみます。
まず、前菜三種なるものを注文します。すると、いろいろな小鉢から選べるとのことで、魅力的な小鉢が並んだお盆を持参されます。とても、新地らしいですね。私は、蕎麦寿司と合鴨のローストとツブ貝の酢の物をチョイスします。
提供された合鴨にはキャビアをのせてあり、蕎麦屋としては非日常的な印象を演出します。
続いて、サゴチ(狭腰)のき寿しをチョイス。狭腰は一尺半くらいの大きさで、二尺前後を柳、成魚は3尺くらいで鰆となる出世魚ですね。小さな魚ですのであっさりしていますが、軽い〆加減でこれがバランスよく、おいしいです。なかなかセンスが良い料理です。
その後、こちらの店が、トリュフそばの前にお酒を飲みながら、おでんやあてをつまむというコンセプトということで、いろいろなおでんをチョイスしてみます。
まずは、いくつか選んだ中から、まず、下記の二種類が別々の器で提供されます。
・ゆばのおでん
・近江八幡の赤こんやくと大根のおでん
赤こんにゃくは下記リンクを参照ください。
軽めの味わいの煮鰊を挟んで、また牛すじのおでんが提供されます。
ここで、お酒を冷酒にしてみます。まずは、”木村式奇跡のお酒”からです。
「木村式 奇跡のお酒」とは、晴れの国とも呼ばれる自然環境豊かな岡山の地にて、「奇跡のりんご」で知られる木村秋則氏の自然栽培方法 に共感したメンバーが集い、木村氏らの指導のもと、肥料・農薬・除草剤を使用しない自然栽培米を生育・収穫。この自然の恵みのお米で醸したお酒が「木村式奇跡のお酒」です。
さてと、面白そうなメニューがありますので、もっとチャレンジしてみましょう。
トリュフの入っただし巻きを注文します。みじん切りにしたトリュフを巻いたものですが、これはなかなかインパクトがあり、わかりやすく、良い料理ですね。
また、おでんを追加してみます。
・半熟卵のおでん
・たこのおでん
お酒を、新潟南魚沼の白瀧酒造の“湊屋藤助”にしてみます。
いよいよ、トリュフ蕎麦です。
トリュフの入った温かいつけダレにトリュフと金箔がのった蕎麦のプレゼンテーション。
トリュフの香りがするのかという疑問を抱く人がいつかもしれないが、たっぷり使っているので、ちょうどいい温度と甘さのつけダレがうまくあい、おおっという感じです。
途中で無塩バターを入れる仕掛けもいいですね。さらにブラックペッパーをかけます。おお、素敵。センスある商品設計ですね。
蕎麦は奥で立ち会っているプロデュースした『しのぶ庵』の大橋社長のところからきているそうです。大橋さんと、かつて私が顧問をいていた『そばよし』の武田会長の話で盛り上がりました(笑)。
トリュフ蕎麦を名物にご来店いただき、利用同期でチョイ飲みもできる。客単価にして、5,000円、7,000円、10,000円を同時進行で取り込めるうまいつくりですね。いや、これはいい勉強になりました。私も、良い店が作れそうです。
トリュフ蕎麦 わたなべ
大阪府大阪市北区曽根崎新地1-5-9 谷安プレジールビル 1F
TEL:06-6442-0724
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