- ホーム
- 社長のメシの種 4.0
- 第75回 アマゾン・ゴー(Amazon Go)
ネット販売の米アマゾンが、2018年1月にオープンした「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」以来、世界に「レジ無しコンビニ」や「無人コンビニ」が登場、日本でもコンビニ各社などが実験店をオープンしている。
シアトル本社に併設された「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」1号店では、一般オープン前の社員の利用実験や、その後の世界中から来る視察者や愉快犯などにより試みられる行為により、万引などの不正防止や商品の誤認識など、センサーやシステムの改良を繰り返しており、私が訪問したサンフランシスコ店では、センサーなどがシアトル店とは違った構成になっていたようだ。
「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」は「無人」を目指してはおらず、店舗にはサラダなどを調理しているスタッフや、商品を補充したり案内したりするスタッフが常駐しているし、「レジ無し」も、ネット販売同様に実店舗での「カスタマーエクスペリエンス(顧客の経験価値)」向上を目指す上での一つの方法でしかないと思われる。
アマゾン・ゴーは店内のカメラやセンサーを使って来店客の行動をリアルタイムに把握し、その顧客の過去の行動履歴データなどから、欲しいと考えている商品を揃えておくことができるようにしている。
■フーマーフレッシュ
顧客データを徹底利用する点は、中国の上海、杭州、深センなどにあるアリババのスーパー「フーマーフレッシュ(盒馬鮮生・Hema Fresh)」も同様だ。
ここは、ネット販売の倉庫とスーパーを兼ねた店舗で、各店舗から半径5kmは30分以内に配達することを保証しており、周辺住民のネット販売履歴データをもとに出店計画がなされているようだ。
「フーマーフレッシュ」では、ネットで注文を受けたスタッフが店内で商品をピックアップした袋が天井を移動する光景が見られる。
ネット注文に利用する専用スマホアプリは、実店舗では産地情報やレシピ情報などを見るためにも使えるし、支払いは「アリペイ(Alipay)」を使ったセルフレジでスムースに行える。
■DIMEラウンジストア
日本では、4月15日に東京新宿西口にオープンした小学館の雑誌「DIME」掲載商品を販売する無人店舗「DIMEラウンジストア」が、「顔認証」での入店、チェックアウトなどを行っている。
棚に並んでいる商品を手に取ると上部のディスプレイに商品情報が表示され、欲しい商品を持ってゲートを通って退店すると、顔認証決済で事前に登録してあるクレジットカードに課金される。
コロナ禍の中でマスク着用でも顔認証ができる点も話題になっている。
また、ファミリーマートも無人決済店の「ファミマ!! サピアタワー/S店」を3月31日に東京駅日本橋口にオープン、ここは事前登録やスマホアプリのインストールも不要で、セルフレジのように商品バーコードをスキャンせずに決済できる。
これは「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」以上に設置されている天井カメラと棚のセンサーを利用したものだが、私の場合は店舗内に複数の客がいたこともあり、商品が誤認識されてしまった。
先行している米中を追って日本も今後はいろいろな店が登場すると思われるが、最新技術を使ってどのように顧客満足度を上げられるかという視点が重要だと考えている。
======== DATA =========
●アマゾン・ゴー(Amazon Go)解説動画(英語)
Introducing Amazon Go and the world’s most advanced shopping technology
●フーマーフレッシュ(盒馬鮮生・Hema Fresh)
●DIME LOUNGE STORE
所在地:東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル地下1階
営業時間:10時~19時
定休日:水曜、土日祝
●ファミマ!! サピアタワー/S店
所在地:東京都千代田区丸の内1丁目7−12 サピアタワー1F
営業時間:7:00~23:00
支払方法:交通系電子マネー、クレジットカード、現金