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第39講 事例を使ってクレーム対応の間違いと、最善の対応を学ぶ(8)
~3年前に購入されたプリンター。年末に年賀状を印刷しようと思って1年ぶりと言っていいくらいに電源を入れた。がエラーが発生して電源が入らない。急いで修理をしようとメーカーの修理部門に電話をくださった。だがもうこの型番の物は部品保有期間が過ぎているので、修理対応ができないという説明に納得がいただけない~

クレーム対応 実践マニュアル

お客様:60歳くらいの落ち着いた話し方の男性
お申し出方法:お電話
お申し出日時:2010年12月の金曜日の13時頃
受け付けた窓口:プリンターメーカーの修理受付コールセンター
商品:15000円程度のコピー機。2003年製、2004年に生産終了。メーカー設定部品保有期間 生産終了年度から5年。なので部品保有期間は2009年


主なお申し出内容:
「3年前に買ったばかりで、しかも1年に1回しか使っていないのに、部品がないから修理ができないなんて、なんとも納得がいかない」とおっしゃるが、「その型番の製品は、修理対応期間が終了しておりますので、申し訳ございません」と先ほどの説明と同じことをいうしかない。それでもさらに「何も修理費を払わないと言っているのではない。修理に妥当な金額は払います。なのに、修理ができないというのか!」と言うので、また「その型番の製品は、修理対応期間が終了しておりますので、申し訳ございません」とゆるぎない対応であることを強調するように同じ説明をした。が、さらにヒートアップしてこられて、「その対応は納得がいかない。どう納得させてくれるのか考えて、電話をしてきてください」と言って電話を切られた。

お客様のもともとの希望:
故障したので修理をしてほしい


求めたいアドバイス:
もう部品保有期間が終了しているので、修理を受け付けることができない。そのことをどのようにして納得してもらえば良いか


アドバイス:

(1)まず、お客様の言い分は、お客様の気持ちになればごもっともなことだと思いませんか?
 購入して3年しか経っていない、しかも年末の年賀状作成にしか使ってないから2~3回しか使っていない。つまり、少ししか使っていない、少ししか時間が経っていないのに、修理ができないと言われることのショックな気持ちは理解できていますか?

(2)「その機種を2004年に生産ストップし、そこから部品の保有を5年間すると決めたのは企業の勝手な決めごとです。」消費者にそう責められても当然のことです。

(3)なので、そう言われないために、その企業の決めごとの伝え方を工夫しましたか?

(4)そのまえに、そのことは当然、納得させることが難しい問題だと、想像はできていますか?その想像もできていないとしたら、自分の会社の対応はクレームの本質、お客様の思考が全くわかっていない低いスキルレベルだと気づいてください。解決はそこから始まります。

(5)つまり部品保有期間が終了していることは、どうしようもないことなのでという思いでお客様に伝えると、今回のような失敗が発生します。

(6)実際、どうしようもないことですが、しっかりと相手の思いに対して、言葉を豊かにする対応が必要です。

(7)だからと言って、「申し訳ございません」という語彙を、使いすぎてはいけません。

(8)むしろ「今年も、これで年賀状を!と思って、電源をいただきましたのに、お役にたてませんで、おはずかしいことです」と企業の対応の力不足を認める言葉を、たくさん言う事です。

(9)「そのように批判したくなるお気持ちにも、なんとも言葉がみつかりませんで・・・」など、対応の力不足を認めた言葉を豊かに言う事です。

(10)今回の対応のつまずきは、
  A. 企業側の状況を説明する際に、事務的に伝えてしまっていること
  B. お客様の苦情の言葉に対して、何度も同じことを言ってしまっていること
  C. 自分の会社の不親切さ、対応の不足を認める言葉がないこと
  D. お客様の思いに共感や、質問をして興味を持っている様子がないこと

(11)企業が勝手に決めた企業のルールは、お客様にとっていくらでもゴネル理由づけができます。なので、そのようなことにならないように、相手との距離を縮めながら(ラポールをかけながら)、説明をするという手順をふまなければなりません。ただ、ただ、ルールの説明をして納得させようとするのは、企業として怠慢な対応といえるでしょう。

(12)最後に覚えておいてほしいことがあります。
  納得=物事を理解すること+心情が満たされること
 つまり、事情の説明をし、そのことが理解されただけでは納得は得られません。相手のやりきれない思いを癒して満たすことができなければ、納得を得ることはできません。

 

中村友妃子          


※用いた事例は、実際事例ではなく、よくある事例を基本にして、講師が、独自に作成した事例であることを
ご了承ください。

※中村友妃子講師のクレーム対応教材「クレーム対応の基本」シリーズMP3・CD・DVD はこちら

 

第38講 事例を使ってクレーム対応の間違いと、最善の対応を学ぶ(7) ~新品の黒いストッキングを着用しようとして、パッケージから出し、履こうとしたらいわゆる伝線が入っていた~前のページ

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