教養
第43回 『ドラマ思考のススメ』(著:平野秀典)
イタリアを代表する都市、
ヴェネツィアとフィレンツェへ行ってきました。
夏のヨーロッパでは
音楽はもちろん、オペラや演劇の上演が盛んに行われます。
いくつかの公演を見て、ふと思いました。
「なぜこんなに感動するのだろうか?」
と。
物語の内容が、自分の仕事や人生と直接関係があるわけでもないのに。
しかし、優れた公演であるほどに、
仕事にも人生にも通じる「何か」をもたらしてくれる気がします。
感動という、なかなか言葉では言い表せないものの中に
大きなヒントがある!
そんなことをあれこれ考えていた際、
絶好のタイミングでめぐり会ったのが
今回紹介する
『ドラマ思考のススメ』平野秀典(著)
です。
人とチームの魅力を引き出す ドラマ思考のススメ/amazonへ
必死にがんばってプラス思考しようとするのではなく、
"ドラマ思考"を身につける!
なるほど、シェイクスピアの台詞のように
「人生はドラマ、自分は役者」
と考えれば、出会う人は皆共演者です。
苦手な人、嫌いな人も、ドラマを盛り上げてくれる悪役であり、
ピンチもハッピーエンドに向けての演出。
プロの講演家であり、舞台役者としても長いキャリアを持つ著者ならではの
オリジナルメソッドが光ります。
たとえば
・人間関係を劇的に良くしてしまう方法
・人の心を動かすスイッチは3つ
・お客様も自分も感動する「共演セールス」とは?
・椅子取りゲームから椅子創りゲームへ
・勝ち負けを超えた関係性とは?
などの興味深い内容がズラリ。
多くの事例を交えて、
頭で理解するだけではなく
ストンと腑に落ちて、すぐ実践できる仕組みになっているのが
嬉しいところです。
このドラマ思考によって、
音楽や演劇の舞台における感動と同じく、
いえ、それ以上に、自らの人生やビジネスという舞台において
感動を生み出すことが可能になるはず!
イヤイヤやる仕事や人生の時間が終わり、
新たな幕が上がる。
一方的に与える感動から、双方向の自他感動へ…。
収益アップと同時に、組織活性化も必須となる
経営者や管理職にこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
尚、本書を読むときに、おすすめの音楽は
『ナブッコ』(シノーポリ指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、合唱団)
です。
Verdi: Nabucco/amazonへ
イタリアを代表する作曲家ヴェルディの名曲オペラを
今は亡きイタリアの天才、シノーポリが指揮。
本によるドラマと音楽によるドラマの融合を
ぜひお楽しみください!
では、また次回。