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- 眼と耳で楽しむ読書術
- 第42回 『魂の燃焼へ』 (著:執行草舟&清水克衛)
今、スペインに滞在中です。
バルセロナ、マドリッド、トレドを巡りながら、2015年の下半期を
より充実させるべく自らを見つめ直しています。
今年のヨーロッパの夏は全体的に猛暑が目立つ傾向にあり、
ここスペインも同様。40度近い暑さと強い日差し、湿度の高さに驚きつつも、
我が心はそれ以上に燃えているのを感じています。
なぜなら、魂に火をつけられる一冊に出会ってしまったからです。
それは
『魂の燃焼へ』執行草舟&清水克衛 (著)
です。
本書のカギとなるのは、「読書」。
小学生のうちに岩波文庫を全部読破するなど、ケタ違いの読書をしてきた実業家・執行さんと
東京・江戸川区で名物書店「読書のすすめ」を営む清水さんによる対談。
武士道を大事にするお二人だけに、読書という共通のテーマを通じて、
話はどんどん熱を帯びていきます。読書は読書のみにあらず!
本を読み続けてきた結果として育まれてきた独特のビジネス観や人生哲学、
日本社会への警鐘、さらには、目に見えない世界について…
話題は多岐に渡りながらも、1つ1つが深い。そして熱い!
たとえば、
・「答え」ではなく「問い」を見つけよ
・「感謝」するより「恩」を返せ
・昔の人が使っていた言葉を大切にすると、
必ず本当のものがわかるようになる
・乃木将軍に学ぶリーダーの器量
・哭くために読みなさい
・最初の志が壮大だったからこそ、未完になる
・「沈黙」が人間の魅力をつくる
・自分がいいと思ったものだけを扱った上で、
商売としても成り立たせるのが人間の真の知恵
…印象に残ったところが多すぎて、挙げればキリがありません。
特に経営者や自営業の方には、大いにヒントや刺激になるもの、と確信できます。
そして、今の日本において過去のものになりつつある「男気」があります。
暑い夏など気にならないほどに魂を燃えさせてくれるこの一冊、
ぜひ読んでみてください!
尚、本書を読むときに、おすすめの音楽は
『静かな生活』(アンドレ・ギャニオン)
静かな生活/amazonへ
です。
心にやさしく響き渡るピアノは、同時に重みもあり、
本書の主題の1つである「沈黙」に通じるものを強く感じます。
ぜひ合わせてお楽しみください。
では、また次回。