最初にお知らせがあります。
登壇することになりました。
出番は、2018年1月26日(金)14時~15時10分。
演題は、
社長人生を大きく豊かにする『リーダーの読書術』
です。
これからの時代、読書は経営者にとって一層意味を持つものになります。
よろしければ、ぜひご来場ください!
さて、今年最後の一冊は、
『夢の回想録 高田賢三自伝』 高田賢三 (著)
です。
パリで大成功し、世界的なファッションデザイナーとなった
ケンゾー氏の自伝。
日経新聞の「私の履歴書」で連載されていたものを元に
つくられた本です。
ぼくは連載時から非常に興味深く読んでいました。
というのも、華麗なる人間関係から出世、起業、成功、破綻…
非常に多岐に富んだ人生ドラマが盛り込まれたものだったからです。
中でも、ケンゾー氏がパリで大成功できた理由について
述べているところが目に留まりました。
何度も考えてみたが、いろいろな偶然が重なった結果で、
そのうちの何か1つが2,3年でもズレていたら
おそらく成功できなかった、
とのこと。
そして、もう1つ。
華やかな成功の後、共同経営者との二度にわたる大トラブルや
自己破産などの憂き目に遭ったことも、
見逃すわけにはいきません。
この浮き沈みに対して、プロ野球の名将・野村克也氏の名言が
思い出されました。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
というものです。
ケンゾー氏の成功は、神がかり的なところがあり、
誰もが真似できるようなものではない一方、
失敗に関しては、同じような轍を踏んだ経営者は、
ゴマンといるはず。
時代の寵児となり、メディアに大々的に取り上げながらも、
その後、消えていった経営者が、どれだけいることか。
成功者の本を読み、その秘訣を知ることにも意味がありますが、
それは必ずしも参考になるとは限りません。
より注目すべきは、経営失敗のパターンや事例を知ることでしょう。
それは偶然ではなく、必ず明確な理由がありますから。
そして、失敗や挫折から再起した人のプロセスも
知っておくに値する、とても興味深いものです。
世界的デザイナーであり、経営者であったケンゾー氏の波乱万丈の人生から、
ぜひ何かを感じ取り、お役立ていただければ幸いです。
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『ラヴェル:ピアノ作品全集』モニク・アース (演奏)、
です。
フランスを代表する作曲家ラヴェルのピアノ曲、アースの名演!
ケンゾー氏が過ごした時代を感じながら合せてお楽しみください。
では、また次回。