- ホーム
- 眼と耳で楽しむ読書術
- 第63回 『ターゲット ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?』(著・ジェローム・シュシャン)
学生は新学期、社会人は新年度が始まり、
新鮮な気持ちで迎える4月。
暖かい陽気とともに、読書意欲も高まる時期ですね。
読書の醍醐味の1つは、
「古今東西の偉人の教えを手軽に学べること」
にあります。
とりわけ、仕事や技能向上を求めるならば、
自らの専門分野に関する書籍はもちろん、
異分野の成功者や一流人による著書を読むこと。
このコラムでも繰り返し推奨してきたことですが、
これほど効果の高いものは、そうそうありません。
一見、自分と関係なさそうなものであればあるほど望ましい。
実際、一流人ほど異分野からのインプットが巧み。
優れた経営者やリーダーは、仕事以外のものからヒントを見出し、
次々と自らに置き換えて考え、適用させ、結果に結びつけていきます。
そこで、"畑違いのものを自らの分野に応用できる能力"が
ぜひとも欲しいところです。
いかにビジネスに見立てて考えるか?
今回紹介する
『ターゲット ~ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?』
は、まさにこの上ない参考書になる一冊です。
こんなに理想的な本がこの世にあったのか!と思うほど。
著者のジェローム・シュシャン氏は、フランス人。
高級チョコで有名なゴディバ・ジャパンの社長となり、
わずか5年で売り上げを倍増させました。
その躍進の秘密に、意外なところにありました。
シュシャン氏、実は25年以上に及ぶ弓道経験を持つ有段者(5段)。
そして、弓道にビジネスの極意を見出す発想が、極めてユニーク、
かつ実用的で、本書の最大の読み所と言えます。
「正射必中」、「見取り稽古」、「矢所を見る」、「遅気」…
日本古来の弓道の教えを次々ビジネスに置き換え、
組織づくりやキャンペーンなどに活かして成功した事例が
具体的に書かれていて、目を見張ります。
本書のみによって、業績アップする企業があっても
全く不思議はありません。
また、シュシャン氏が、弓道とビジネスを通じて見た日本を
知るだけでも、一読に値します。
日本人がいつの間にか忘れてしまった長所や強み、
大事なことをきっと思い出させてくれるはず!
ちなみに、1年以上前に出た本なので、書店の店頭で見つけるのは
難しいかもしれませんが、1日でも早く入手されることを
心よりオススメします。
これほどの本に巡り合えることは、めったにない!
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『華胡蝶~The BEST of WeiWei Wuu』 (演奏:ウェイウェイ・ウー)
です。
NHK『ダーウィンが来た!生きもの新伝説』エンディング・テーマや
TBS系ドラマ『JIN-仁-』テーマ曲など、
TVやCMにも多数曲を提供している世界的な二胡奏者ウェイウェイ・ウー氏。
弓道とはまた違った"弓使いの名手"による名曲名演を
合せてお楽しみいただければ幸いです。
では、また次回。