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教養

第93回『デンマークの親は子どもを褒めない』(著:ジェシカ・ジョエル・アレキサンダーら)

眼と耳で楽しむ読書術

即位の礼も終わり、平成から令和、新時代の幕開けですね。
 
平成の約30年の間に、社会を取り巻く環境も
大きく変化してきました。
 
とりわけ、人材の育成、指導の面では、
旧来のやり方では、もはや若手が付いてこなくなった、
といっても過言ではありません。
 
経営者、リーダーは、指導手腕を問われるとともに、
迅速な見直し、改善が必要となってきます。
 
では、どうしたらよいか?
 
厳しくすると付いてこないからといって、
ただやさしくして、褒めればいい、というものでもありません。
 
方法や考え方は無数にあると思いますが、
その大きなヒントになる一冊を紹介します。

『デンマークの親は子どもを褒めない』
 
93-1.jpg
 
デンマークの親は子どもを褒めない 世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方 (新書企画室単行本)/amazonへ

です。
 
ご承知のように、デンマークは、幸福度ランキングで、
世界1位の常連国。
 
本書は、そのデンマークの親たちがどのように子育てをしているか、
について、実際の育児に加えて、さまざまな研究結果も交えて伝えるものです。
 
「デンマーク人がそんなに幸せなのは、どうして?
長い年月をかけたリサーチの末に、私たちはようやくデンマーク人の
幸福の秘密を解明できたと考えている。答えは非常にシンプル―
子育てに秘訣があるのだ」
 
さて、その秘訣とは一体?
 
たびたび申し上げてきたように、
効果の高い読書の1つは、畑違いの顕著な成果を出しているものから
学ぶことです。
 
この場合、「デンマークの親」を経営者やリーダー、
「デンマークの子どもたち」を部下、特に若手に、
さらには「デンマークの幸せ」を会社や組織の充実に
置き換えて読んでみると、非常に意義深いものになります。
 
また、部下の育成を目的として、本書を読む人は
ほとんどいないはず。
その意味でも、価値ある読書となります。
 
ちなみに、読むべきポイントは豊富にありますが、
中でも、どのように自信をつけさせるかに関する
アメリカとデンマークの違いは、極めて興味深いところです。
 
今の日本は、"褒めて育てる"アメリカに近いやり方が蔓延しています。
果たしてそれがどういう結果につながるのか、
データも踏まえて、じっくりご覧ください。
もし、部下の指導に手こずっていたり、
最近の若手がよくわからない、といった場合、
改善のヒントが見えてくるかと思います。
ぜひお役立ていただければ幸いです。
 
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『イン・コペンハーゲン』(演奏:ズート・シムズ)
 
93-2.jpg
 
です。
イン・コペンハーゲン/(演奏:ズート・シムズ)
 
人気サックス奏者ズート・シムズが、1978年にデンマークで録音した名盤。
ケニー・ドリュー、エド・シグペン、ニールス・ペデルセンといった凄腕をバックに
円熟の演奏!
デンマークつながりで、合せてお楽しみいただければ幸いです。
 
では、また次回。
 
 

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