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第77回『「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ』(著:野口悠紀雄)

眼と耳で楽しむ読書術

「コンピューターは、これまで人間がやってきたことを代替する。
AIとブロックチェーンが人間の仕事を奪う。
専門家や経営者の仕事も安泰ではない。
こうしたことはこれまでもあった。
例えば産業革命がそうだ。
しかし、今回はもっと影響が大きい。
では、そうした時代になると人間のやることはなくなるのだろうか?」
 
これは、今回紹介する
『「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ』(著:野口悠紀雄)

77-1.jpg
 
に書かれた一節です。
 
 
 
近年、AIに関する話題は増える一方で、
経営者、リーダーとしては、もはや看過できないものとなりました。
 
AIといかに付き合うか、いかに使うかも大事なことですが、
それ以上に大事なのは、この時代をいかに生きるか!?。
 
著者の野口悠紀雄氏はファイナンス理論、日本経済論の専門家で、
これまでも数々のベストセラーを出してきたことでもお馴染み。
 
本書は、独学のすすめであると同時に、
経営者に対する強い思いを感じる一冊です。
 
それは特に、
 
「企業の進むべき方向について、的確な判断力を持っている人が多いとは思えない。
現在の日本で最も必要とされることは経営者の再教育だ」
 
という言葉に表されています。
 
経営者こそ、もっともっと学ぶことが大切。
しかも、学ぶならば独学がいい、と。
 
そして、どのように学べばいいのかの具体例が
いろいろ示されています。
 
10章にわたる項目の中で、
ぼくが最もおすすめしたいのは
2章の「独学者たちの物語」です。
 
考古学者のシュリーマン、20世紀最高の数学者と呼ばれるフォン・ノイマン、
アメリカ建国の父ベンジャミン・フランクリン、
独学で弁護士になり、大統領にもなったリンカーン、
鉄鋼王カーネギー、発明王エジソン、ライト兄弟など、
多くの偉人たちの独学経験が綴られていて、非常に興味深い。
 
しかも、これらは昔話ではなく、これからの時代への大きなヒントにもなるものです。
偉人たちの独学法、並びに野口氏の提唱するAI時代ならではの独学法から、
今こそ必要なものが得られると思います。
 
人生100年時代をよりよく生きるためにも、
ぜひ読んでいただきたい一冊です。
 
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番&第14番 他』
クラウディオ・アラウ (演奏)

77-2.jpg
 
です。
 
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番&第14番 他/amazonへ
 
本書の中でも、「独学の音楽家」として紹介されている
20世紀を代表するピアノの巨匠アラウ。
その神童ぶりから"チリのモーツァルト"との異名を持ったほど。
ぜひ合わせてお楽しみください。
 
では、また次回。
 
 
 
 
 

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