最近は様々な分野でリサイクルショップが花盛りである。古くからある業態としては、古本屋があり、そしてレコード、CD、DVD、ゲームなどなど様々である。さらに、ブランド品、カメラ、自転車、衣料品などいくらでもその対象は広がる。
リサイクルショップは町を歩けば、本当にあちこちで目にする業態である。中にはチェーン展開して、上場を成し遂げた企業も多くなってきた。
リサイクルショップは、中古品を買い取って、店舗で販売する形が一般的であるが、いかに仕入れるかが勝負を分ける。そしてこのビジネスで重要なものは、個々の商品をいかに適正価格で仕入れるかがポイントになる。安すぎれば、商品は集めにくいが、高すぎれば儲けは出ない。
そこで、適正な利潤を上乗せして販売できる価格で、いかに仕入れるかということになり、そのためには買入価格の算定がものを言うことになる。
その場合、同一商品が大量に流通している分野は比較的値付けは簡単である。それゆえ、ビジネスとしては古本屋の発生が初期にあり、CD、レコード、ゲーム、ブランド品などなどがビジネスとして次々と立ち上がってきた。
も同一商品であるから、需給によっておおよその流通価格が決まり、あとは状態の判断だけとなる。その意味ではこれらの分野は競争も激しい分野である。一方、家具や衣料品は同一品が少なく、状態の確認に加えて、価格の設定が極めて難しい。
それに対して同社ではそのような商品に対応するPOSシステムを開発したことによって、誰でも買い取り価格の設定ができるようにした。そもそも、そういった同一商品が少ない分野ではPOSシステムの対応は難しいと言われていたが、だからこそそれにチャレンジして、システムを完成させたのである。
特に衣料品は流行にも左右されることから、在庫の管理も重要となるが、そのシステムを使えば、売れ残りを直ちに把握して、値引きしても売り切ってしまうことが可能である。その結果同社の在庫回転率は1.5か月ほどと低水準となっている。
そのような武器があるからこそ、リサイクルショップの中でも難しい商品と考えられる衣料品を扱いながらもこの6年間で年率16.6%の売上高成長と年率27.6%営業利益成長を成し遂げているのである。
有賀の眼
リサイクルビジネスは参入障壁が低いビジネスであり、起業数は多い業界ではないかと思われる。しかし、扱い品種によってはビジネス精度を高めることは極めて難しい業界であろう。
その中にあって同社は、POSシステムの開発によって従来ビジネスの欠点を克服することでビッグビジネスへの道を歩んでいる。まさに、難しいと言われることを解決したことで、他社との差別化が可能になった好例であろう。
もちろん、それは簡単なことではないが、当コラムに登場する多くの企業に共通することである。解決が困難と言われている課題の解決こそ、まさに企業の発展にとっては欠かすことのできない方程式ではないだろうか。