menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第159話 「タイムカードを電子化し、給与明細はメール配信にしなさい!」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

第157話のコラムで、中小企業のデジタル化は遅れている、と書きました。

その代表的なひとつが、タイムカードと給与明細です。

ある会社で、懐かしいものを見ました。旧型のタイムカードです。

表は青、裏は赤、でデザインされたものです。

「えっ、いまだにタイムカードこれなの?」と言ってしまいました。

 

「そうなんです。事務の山田さん(仮名)がいつも準備してくれます。」

と、その会社の幹部が答えました。

旧型のタイムカードは、名前や社員番号を両面に手書きしていました。

「しかし、100人分くらいあるでしょ。」

「100人を少し超えています。山田さんがいつもきれいに名前と社員番号のハンコを押してます。職人芸的ですよ。」

社員の名前はハンコをつくって押し、社員番号もハンコで押し、〇年〇月の部分もハンコを押してます。

 

そうです。旧型の勤怠管理では、タイムカードの準備作業、というのがありました。総務でタイムカードを準備し、月末までに各事業所に配ります。月初を過ぎると、各事業所から打刻済みのタイムカードが総務に届きます。

休日は、管理者が公休とか有給、と記載してあります。で、各人の勤怠時間の計算を始めるのです。

打刻モレがあると、いちいちその事業所の管理者に電話をして、確認するのです。

 

その会社では、いまだに旧型のタイムカードで管理を行い、勤怠時間は毎月、勤務時間を別途パソコンに入力し、昔ながらの計算作業を行っていたのです。

すでに勤怠管理を電子化している会社にすれば、

「まだ、そんなことしている会社があるんですか?」

くらいの遅れ方ですが、実際には、まだまだそのような会社が、あちらこちらに存在するのです。

 

現在多いのは、ICカードをかざすタイプか、指をあてる生体認証型、のふたつです。勤怠時間はその時点でデータ化されます。

そのデータを総務に転送し、そのまま時間計算も行います。タイムカードの準備も職人芸も不要、勤務時間の計算も不要、が当たり前の時代なのです。

「勤怠管理 システム」と検索すれば、いくらでも候補が上がるし、かかりつけの社労士に相談すれば、教えてくれるはずです。

 

加えて、タイムカード同様に遅れているのが、給与明細のメール配信です。

先日ある会社で、

「うちもようやく給与明細をメールで送信するようになりました。」

とお聞きしました。

「えっ!まだ手作業でやってたんですか!」

と言ってしまいました。その会社は多店舗展開する飲食店です。

事業所が分散している場合、紙の給与明細を本人に届けること自体が大変です。

「その人はもう辞めました。」

「正式異動はまだ先ですが、すでに勤務地が変わってます。」

「いつまでも本人が取りに来ない明細を、どうしたらいいですか?」

等々、店舗からさまざまな問合せがあります。その都度、明細を届けることのためだけに、労力がかかるのです。何の付加価値にも繋がりません。

手間がかかるだけです。それでも、

「80名~90名くらいだと、人手のほうが安くつきます。」という幹部がいるのです。しかしそれは、慣れている人がやれば、の話しです。担当が変わるたび、育成のコストもかかるのです。

 

それに、紙の給与明細の場合、まるで月次の恒例行事のように、明細発送の準備作業があります。総務も人事も数名がかりで、明細の中に連絡事項の紙を入れて封をしたり、店別・部署別に、配送の仕分け作業に取り掛かります。

在籍人数が数百名規模になれば、かなりの労務コストがかかるのです。

メールで送信すれば、このような作業コストは不要です。

「どのように進めればいいのでしょうか?」と聞かれます。

給与計算ソフトを扱う会社なら、明細のメール配信はいまどきどこでも対応しています。まだこれから、というのならまずは、自社の給与計算ソフトを扱う業者に、尋ねてみてほしいのです。

 

勤怠管理は最もデジタル化しやすい業務なのです。

人手不足で困っているのなら、人がやらなくてもできる方策を、とればよいのです。

 

 

第158話 「回収サイトを縮めなさい」前のページ

第160話 「取締役会を月1回は 開催しなさい」次のページ

関連セミナー・商品

  1. 第38期「後継社長塾」

    セミナー

    第38期「後継社長塾」

  2. 井上和弘の経営の核心102項

    井上和弘の経営の核心102項

  3. 井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

    音声・映像

    井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

関連記事

  1. 第40話 「賢明なる二代目経営者」

  2. 第166話 「マサカの坂は 8年~10年ごとにきます」

  3. 第68話 「『経費』は目的ではなく手段である」

最新の経営コラム

  1. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

  2. 第七十八話 展示会後のフォローで差をつける「工場見学の仕組みづくり」

  3. 第219話 少人数私募債の相続対策

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    第55回 『根回しは必要悪?』
  2. 経済・株式・資産

    第90回「不確実性の高い2017年 3つの視点を忘れずに」
  3. 社員教育・営業

    第125回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方46「採用と社員教育Ⅱ」
  4. キーワード

    第89回日本一のおしゃれエリアで、どんどん店舗を増やす飲食チェーンとは?~「大阪...
  5. 社長業

    Vol.51 社長が冷静に見るべき「利益の質と量」
keyboard_arrow_up