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第160話 「取締役会を月1回は 開催しなさい」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

 商法から申せ、会社法から見ても月1回の取締役会議で審議、議決しないといけないように 日本の法律ではなっているはずです。

 しかるに中小企業においては、私の感じるところでは70%以上の法人が 取締役や株主総会を開催せずに、司法書士が経営者に依頼され、作成しているわけで、各取締役は目くら印を押しているのが実際ではないでしょうか?

 

 月1回30分~1時間もあれば済むことですが、業績検討の経営会議は開いても、取締役の会議は開催されていません。

取締役会議では

・他社との種々の会社契約事項

・金融取引の新規、取引条件の変更

・新規大型取引先の開拓

・土地の売却、購入

・大型工事の発注

・有価証券の購入

・役員、幹部の人事

等の事案は 全取締役の議決が必要です。

 

 世の中でやたらとコンプライアンス(法的順遵守)といいながら、これほど中小企業で無視されていることはありません。

 

 小さな会社 (年商100億になっても )では ワンマン社長が取締役の意見、質問も得ずにやってしまって大損害になってしまっていることが多い。

 「いや 私は 息子の専務に言った!」

 「社長の弟の常務には何も おっしゃっていないじゃないですか?」

 「いや おまえにも私の部署で了解を求めたではないか、話したはずだ」

 「そんなこと 聞いていません!」

 「いや 言った」

 言った 言わない  では!  議事録も何もないのです。

 5~6年前のFX取引で大損を受けた会社の話です。

 取締役一人や二人で回りの取締役の同意も得ずに決定してしまうこと自体、取締役の

 ・善管注意義務違反

 ・誠実義務違反

 になります。

 

 同族間で法廷にまで問題が持ち込まれて、紛争になっています。

 たった1時間でいいのです。会社のために働いている意志はあっても、公正に全取締役の意見、同意を取り、議事録をして、しっかりとエビデンス(証拠)を残すべきであります。知らず知らずに背任行為を行っていることが中小企業のトップ陣には多いのです。

 

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