menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第175話 「2021年に改めてほしい、3つのこと」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

継続するコロナ禍のなか、この2021年にぜひとも改めてほしいことを、書かせていただきます。

次の3点に共通するテーマは、

「いかにして労務コストを下げるか」ということです。

 

1)社内における完全キャッシュレス化

 

店舗の釣銭は別にして、それ以外の現金の取り扱いを改め、完全キャッシュレス化にチャレンジしてほしいのです。

現金があるだけで、コストロスが発生します。まず、現金出納が必要になります。

現金管理を担う従業員が、この実務をこなしているのです。現金残高が合わなかったらどうしよう、という、精神的ストレスを、いつも抱えています。

経営者には見えにくい部分ですが、リターンのないコストであり、見えざる精神的負荷を与える業務なのです。

 

第二に、現金は、人を罪の世界に誘惑します。不正の温床になりやすいです。

だから、任せっぱなしにせず、他の誰かがチェックをする、という作業も必要になります。実際に横領が発生した会社を何社も見てきました。

当然、その従業員は退職となります。その人が悪い、という面もありますが、そもそも現金を扱っていなければ、その人は罪を犯さなかったのです。

 

第三に、感染リスクの低減です。現金は不特定多数の方が触り、流通しています。

お金を触ったときは、手を洗うまで絶対に顔の一部など、自分の体には一切触れない、というのなら構いません。

が、それは実際問題できないと思われます。それに、現金管理をする者が感染すると、結構、面倒です。その変わりは数名いる、という会社は少ないはずです。

 

時代の流れは「キャッシュレス」です。

その流れに、乗り遅れることのないようにしてほしいのです。何より、現金管理はリターンのないコストです。そのようなコストを抱える余裕は、もはやないはずなのです。

 

2)会議資料のペーパーレス化

 

会議の資料そのものは、エクセルやワード、パワーポイントなど、デジタルで作成しているはずです。

ならば、その資料を各自がノートパソコンやタブレットで見るようにすれば、紙で印刷する、という煩わしい作業は無くなります。

 

「いやぁ、そうはいってもうちの社長(会長)は厳しいです。」

という声もあろうかと思います。その1部は紙で印刷するにしても、他の者は、デジタル対応で可能なはずです。

1人の紙対応のために、全員がそれに合わせる必要はありません。

 

私たちが参加している経営会議でも、デジタル対応が増えてきました。

ある会社では、会議室が密にならないよう、参加者が会議室と事務所内に分散し、リモートを活用した形で会議を行っています。

 

会議の資料を紙で準備していると、追加の資料があったり、修正があったり、部数が変わったり、まあ何かと手間がかかるのです。

なかには、提出期限を守らない経営幹部もいて、担当者が何度もやんわりと催促することになります。資料準備をした者にしかわからない、手間と苦労があるのです。しかし、この手間や苦労も、何のリターンもありません。単なるコストなのです。

 

今や、そんな手間をかける必要のない環境は整っています。クラウドやリモート対応も取り入れておられるはずです。新たなデジタル環境を存分に活用するかしないかで、かかるコストが変わってくるのです。

まずは自社の会議の在り方を見直し、ペーパーレス化を進めてほしいのです。

 

3)営業マンを減らす

 

「うちは営業マンが弱いから売上が伸びない!」

そう思い込んでいる中小企業の経営者が、今も多くおられます。

しかし、よく考えてみてください。巷で行列ができている店や、入荷まで〇〇ケ月待ち、などと言われる店舗や会社は、営業マンの営業力で売れているのではありません。商品力で売れているのです。

 

優秀な営業マンを採用して人数を増やす!商品知識の教育をする!セールストークのセミナーに行かせる!などと取り組んだところで、商品力さえ強ければ、そんなことは無関係に売れるのです。

 

むしろ、営業マンを減らす、最終的にはゼロにする、ということを描きながら、

「うちの会社に営業マンは本当に必要だろうか?」

というところに立ち戻って考えてほしいのです。

 

何かにつけて営業マンが本社に電話で問い合わせて確認したり、

ファックスを多用したり、していないでしょうか。

そのようなアナログな営業スタイルでは、営業マンの労務コストは減らないのです。

「うちの営業受発注の主力はファックスです。」という時点で、アウトなのです。

顧客の質問や要望に、自動応対できるツールやシステムは、すでに存在しているのです。それらが社内にそろっているかどうかです。

 

営業マンの採用、給与、教育、旅費、その他経費、は大きなコストです。

そのコストを減らし、システム構築と管理にコストを費やす会社が、業績を伸ばす時代に突入しているのです。

 

「うちはホームページが24時間働く営業マンです。」

という会社がありました。ホームページを充実させる。顧客への情報発信を充実させる。検索されやすいように仕掛けをする。など、ホームページだけでも、できる営業活動はまだまだあるはずです。

自社の営業活動のスタイルを、今一度、見直してほしいのです。

 

 

以上、ここで挙げた3点は、労務コストを減らす一例にすぎません。

コロナ禍を受けて、世の中は確実に、デジタル型経済に変わってゆきます。

変化に対応できない会社は、労務コストの負担がますます膨らみ、損益分岐点売上高が下がらず、ライバルとの競争について行けなくなります。

最大の固定費である労務費を下げるため、これまでの常識に捉われず、大胆な業務改革に取り組んでいただきたいのです。

第174話 「『純現金収支』って何のこと?」前のページ

第176話 「税制改正でキャッシュを増やせ」次のページ

関連セミナー・商品

  1. 「第37期 後継社長塾」

    セミナー

    「第37期 後継社長塾」

  2. 社長の財務戦略

    社長の財務戦略

  3. 井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

    音声・映像

    井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

関連記事

  1. 第42話 「良い投資と悪い投資」

  2. 第97話 「M&A 立ち会って思う事 その(2)」

  3. 第188話 「資本金が1億円以下の中小企業の方が利点は多い!」

最新の経営コラム

  1. #3 一流の〈御礼状力〉-相手の行動、仕草を伝える-

  2. 第154回 リバイバル!カセットプレーヤーに注目!

  3. 第50回 生産性向上ではなく、商品力向上へ

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 税務・会計

    第11回 必要なキャッシュを確保した資金計画が整っている会社
  2. 経済・株式・資産

    第126回 食品小売りの覇権争いは地域密着型の食品スーパーの圧勝で決着(ヤオコー...
  3. コミュニケーション

    第71回 変わるもの、変わらないもの~年賀状、年賀状じまい~
  4. マネジメント

    『貞観政要』の教訓(9) 公平な人事は組織の基本
  5. マネジメント

    第十七話 本物は分かる(福山黒酢)
keyboard_arrow_up