「勘定合って銭足らず」
この言葉は、大昔からあります。
まさに、キャッシュフロー経営の大切さを述べているものです。
「損益計算書(P/L)ばかりを見ていないで、B/S(貸借対照表)の左側の資産の部、現金、受手、売掛金、在庫、設備等の固定資産の増大に注意の目を向けよ!」と常々申し上げています。
私の後継社長塾は24名の定員です。
ほぼ、毎年24名の受講者があり、全員が自社のB/S、P/Lを分析します。受講者を送り出した企業のトップ陣は、まだまだキャッシュフロー経営を実践されていないことが明白になるのです。
キャッシュフローという言葉は、まだ新しい言葉ですが(20年ぐらいしかたっていません)本当にこの言葉を理解して実践されている方は少ないのが実感です。
なぜなら、銀行の長短借入残高が未だ多く残っているにも関わらず、たくさん(月商の3か月)の現預金を持っていることで、わが社はキャッシュリッチな会社であると胸をそらしている勉強不足な経営者がいらっしゃいます。
銀行としては定期なり預金があることは、保全にもなるので預金を取るのは決して悪い話ではないのですから。
銀行支払い金利率も0.5%であると自慢げに話をしても、実質金利率は2.5%~3%になっていたりします。
キャッシュフローは言葉の通り、いかにしてお金を、企業内でスピードをあげて回転させるかという事です。
自社内に「お金が澱んでいてはいけない」との価値観を持つことです。
それでなくても 固定資産でお金が留まってしまうのですから…。
売上(単価×客数)が非常に上がりづらい昨今の経営環境の下では、いかに回転の早い経営をやるかです。
・売掛債権回収を早める
・遊休不動産は売却する
・設備で利用度の低いものは減損する
欧米の投資家の思考は、毎期「どれだけ営業によるキャッシュ(使える金)が増加しているか?」が重要な指標になっています。
税引き後利益を多く出しても、現実 資産に化けてしまって、配当にも事欠く会社はダメとみられるのです。