良いも悪いもないのが私の結論です。
世の中では、買収王・買収鬼と称して、金にものを言わせて、会社を吸収していく企業を悪く表現したりしています。
一方、買われた方は、弱くなってダメになって、敗者の如く見られている場合も、まだまだあります。 農耕民族である日本人の持つセンチメンタリズムのなせる思考なのかも知れません。
(1)後継者としての親族が居ない
(2)息子は存在するが、企業規模も大きく息子の能力ではまわし切れない
(3)今は良いが、将来を見据えると取り巻く環境要素から存続が危うい
業績は決して悪くはないが、強力な企業と合体した方が、企業の持つ技術や社員が活かせる。合併や売却をするのも企業存続の一策と思います。
一方、M&Aを進める企業は
(1)M&Aの手法で成長軌道に乗せてゆきたい
(2)企業の総合化を図りたい
(3)企業を地域企業よりも大都市(関東)市場を狙う中堅企業へもっていきたい
それなりに財務力があれば「時間を買う」というM&Aによる成長戦略は正しい選択の道であります。
売却する方も株式の全部を売却せずとも、一部を残し、役員陣に入り、規模の拡大により経営の一端を担うことにもなります。
しかし、M&A成功確立、契約確立は、まだまだ少ないと私は思います。
時代は、変化してきており、30~40年前のM&A数よりも増加しています。
少子高齢化により,M&Aによる企業存続方法は、少なくなることはないと信じます。
賢明なる企業存続の方法の1つはM&Aであるのですが…
アシックスの例
アシックスは、神戸のスポーツシューズ鬼塚商会と大阪の株式会社ジィティオ(GTO)、スポーツ衣料メーカーのジェレンク株式会社の三社が合併して、新しくできた会社です。
大阪江坂にあったGTOの建屋がアシックスの本社になり、寺西GTO社長(アシックス副社長)にお会いしたのです。
寺西社長の風貌は、風林火山のようで、眼光鋭く、会って、話を聞くだけで楽しかった思い出があります。
「寺西さんなぜGTOはそれなりの会社なのに合併なんかなさったのですか?」
「井上さん、スポーツメーカーは、ミズノ一社のみの強者です。このミズノに対抗しようと思えば、鬼塚氏も私もこの世に存命中は、決してそばにも寄れない。それよりも我を捨てて、世界のスポーツ総合メーカーの一角を占める会社を目指したのです…」
鬼塚さんも寺西さんも今は、この世にはいらっしゃいません。
アディダス、プーマ、アシックス、ミズノ…皆さんどう評価されますか?
ダイエーの中内 功さん
四国主婦の店ダイエーの社長は、松山の青木本店(月星の四国代理店)の青木さんでした。
青木氏とは、台湾経済視察団の事務局をやらせていただいた縁でかわいがってもらいました。
中内 功さんは、勿論四国ダイエーにも資本参加され、ダイエーが上場する時には、青木さんに一緒に合併して、全国制覇しようと持ちかけられました。
青木さんは、専務就任を請われたのですが、断っておられます。
中内の化け物と一緒に働いたら命がない!
青木氏は、所有している株をすべて中内氏に渡されて、本業に専心されました。