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第37回 経営者保証改革プログラムで創業融資が受けやすくなる!

どうなる金融業界

 昨年12月に金融庁、経済産業省、財務省が連携して「経営者保証改革プログラム」を策定した。目的は、経営者保証に依存しない融資慣行の確立加速という事だが、プログラムの中でもスタートアップ・創業時における経営者保証を求めない融資制度の創設は特筆に値する。


 これから起業する創業者だけでなく、経営者のみなさんには是非知っておいてもらいたい。

 

 創業時点の融資は、金融機関にとってはリスクの高いものとして経営者保証を求める事が一般的である。しかしその慣行が起業意欲を妨げ、思い切った新規事業展開を阻む要因ともなってきた。こうした懸念を取り除き、創業機運を高めて起業・創業の促進につながるように、経営者保証を不要とする創業時の新しい信用保証制度としてスタートアップ創出促進保証制度が創設された。


 日本公庫や商工中金は既に経営者保証なしでの創業融資を取り扱っているが、要件緩和を更に進めている。


 今回は、スタートアップ創出促進保証制度の中身について解説する。

特徴としては3つある。

 

対象範囲が広い

 先ずは、保証対象者の範囲が広いこと。


 これから事業を開始する創業予定者に限らず、創業後5年未満であれば対象となる。また、分社による新会社も対象となる意義は大きい。既存の中小企業が新規事業を立ち上げたり、或いは、既存事業の中での特定の事業を切り出して分社化するなど応用範囲は広がる。例えば、販売チャネルの中からネット事業を分社化して事業拡大を加速するなど、多くの中小企業経営者にとって選択肢が広がる可能性を持っている。

 

1/10以上の自己資金

 次は、融資限度額について。創業資金総額の1/10以上の自己資金が必要との条件があり、逆に言えば自己資金の9倍まで3,500万円を限度として借入可能である。このレバレッジは非常に大きい。自己資金をあまり用意できなくとも、保証なしで大きな創業融資を調達することができる。とは言え現実の運用においては、必ず自己資金の9倍まで借りられるという事にはならないだろう。事業計画の信憑性によって審査が厳しくなることも考えられ、より多くの自己資金を求められたり、融資金額を削られる懸念はある。少しでも実現性の高い創業計画書を作成する努力が必要だ。

 

 創業計画書の様式は比較的簡単な内容。(添付資料ご参照)
事業概要、必要資金と調達の内訳、今後1年間の収支計画などとなっている。

創業計画書(スタートアップ創出促進保証制度用)(EXCEL形式:55KB)

 

設立3年目、5年目でのチェック

 3つ目はアフターフォローがある事。会社設立3年目および5年目に、中小企業活性化協議会によりガバナンス体制の整備状況のチェックを受ける事となっている。


 これは企業が創業期から次のステージに移行するにつれガバナンス向上の取組みが期待される中、創業期の中間期・終期のタイミングにおいて、中小企業活性化協議会の統括責任者などによる助言や必要に応じて磨き上げ支援を受けることで、事業成長をサポートする目的であり、下図の流れで進められる。

 チェックシートの内容は、「経営の透明性」「法人個人の分離状況」「財務状況」の3つの分野に構成されている。「経営の透明性」では正確な会計処理が行われているか、適切な情報開示が行われているかが問われる。「法人個人の分離状況」では、会社と経営者個人の間で資金の分別管理がしっかりと行われているかが問われる。

 

 「財務状況」では、債務償還力に加え、収益性と資本の健全性がチェックされる。企業が健全に成長する上でどれも必要な事項であり、専門家によって助言や支援を得られる事は有難い。創業時から何が求められるのかを理解して経営に活用する事が大事である。(添付資料ご参照)

ガバナンス体制の整備に関するチェックシート(スタートアップ創出促進保証制度用)(EXCEL形式:25KB)

 

 このようにスタートアップ創出促進保証制度は、無担保・無保証を前提とした創業融資制度として、かなり利用し易くなっている。申込み時のフォーマットや創業後に追いかけるべき指標が明示され、対象者の適用範囲も広い。
起業したいと考えても、個人保証のリスクや資金調達の壁に阻まれていた人も多い。この制度が起業・創業の機運を高める切っ掛けとなる事を期待したい。

 

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