古田さんが若いころ親が病気で実家の店に立たなければならず、ホテルや高級店で修行することができなかったそうだ。にもかかわらず、古田さんのセンスと探究心で遠方から訪れるような料理を提供しているのだ。
料理は日によって変わるが、私の訪れた6月下旬では、まずは澄んだ香りのいい上湯スープが提供された。このスープはいやがおうでも食欲が増進させるものであった。
二皿目はキャビアの冷製ビーフンが続く。胡麻油の独自の香りのない太白胡麻油とシブレットをあしらったワインを飲みたくなる一品。シンプルであるがキラりと光る。
続いてはふぐの白子の揚げ物だ。花山椒がふってあり、香りが白子の甘さをひきたている。
しかし、これで終わらない。この店の名物がまだある。それが鱶鰭のステーキだ。
鱶鰭を焼いてくず引きしたあんをかけて提供される。香ばしさと煮込みとは食感が違うなんとも言えない逸品である。
鮑の小松菜のクリームソース、シャラン鴨とモリーユ茸のオイスターソースが続く。料理が出てくるたびにワインが飲みたくなる。しかし、今回はクライアントさんに車を借りてきたゆえかなわない。
私が考えるに、これからの時代、地元のお客様に愛されない店は繁盛しない。そう考えると古田オーナーのやりかたは、まさにこれからの時代に地方の料理人が取るべきスタイルである。
ということで、〆は開化亭が四川料理店であることから、麻婆豆腐+ライスにしてみた。
花山椒がじわじわと辛さを増し痺れてくるが、その辛さに慣れたときに素材の味が口いっぱいに広がる。そして、なんとも言えないタッチの軽い炒め方。ふわっとした食感は感慨深い。
今日食べたコース税、サービス料別で15,000円だが、岐阜を訪れたなら、ぜひ予約して食べる価値がある。
そんな店だ。
岐阜県岐阜市鷹見町25-2
電話 058-264-5811