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不動産

第85回 「 トイレ 」 を見れば設計者の力量が分る。

売れる住宅を創る 100の視点

今回も前回と同じフェーズ8「 モノづくり 」の「 こだわり 」です。その第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第19項目である『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量が分る。 』に関してのお話を致します。
 
前回はフェーズ8の「 モノづくり 」に於いて、住まいの『 ハード面の重視 』の大切さを認識して戴く目的でこのコラムに於いて25項目用意致しました中の、第18項目『 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。 』の御説明を致しました。
 
今回も「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」に於いて商品企画等の良し悪しに依って特に売主の「 モノづくり 」に対する姿勢が問われていますので『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量が分る。 』を皆様に詳しく御説明致します。
 
さて、今回も建築家として、私が最も得意とする「 モノづくり 」における商品企画等で大切な「 こだわり 」の御説明であります。
 
「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」の住戸への「 モノづくり 」に対する「 こだわり 」に於いて売主が入居者( 購入者 )へ細かな配慮された商品を力量の高い良い設計者に依頼して、製造・販売しているか否かが、購入者にとって大変大きな判断基準になりますのでよく御覧下さい。
 
そして、今後「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」に必要な細かな配慮は力量の高い良い設計者に負う所が多いのです。ですので、私の今迄の分譲マンションや建売戸建住戸の設計等の経験を通して御説明を致します。
 
いつも、このコラムで、申し上げていますが、この処の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの顕著な傾向は、良い商品を作って分譲している良心的なディベロッパーと、販売力の強さや数字のみに頼って「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等を企画・販売していますディベロッパーとの「 2極分化 」がかなり顕著になってきております。
 
現在、販売力の強さと数字のみに頼って製造販売しているディベロッパーに於いては、かなり多くの数の完成在庫住戸を抱え苦戦を強いられていますので大変です。
その結果売れずに竣工後2年以上の「 完成在庫住戸 」が多いのが現状です。
 
更に、現在の不動産業界は益々、資本主義の原点である「 弱肉強食 」的傾向が強くなり「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」がどんどん進み、その結果、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが超大手ディベロッパーに吸収合併されております。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが、これら将来にわたり、それらの超大手や大手の会社に対し、独立独歩で対峙し勝負するには、分譲予定物件の商品企画等の「 質 」と「 モノづくり 」には力量の高い良い設計者に依頼してトコトン細かい所まで「 こだわり 」や「 誠意 」を持って魅力有る商品を作らなければ価格競争の渦に巻き込まれてしまうと危惧致しております。
 
そして、その様な分譲マンションを供給していかなければ生き残れないでしょう。
 
その様な社風にすれば顧客が分譲物件の商品企画等の「 質 」が力量の高い良い設計者の細かい「 こだわり 」や「 誠意 」を敏感に感じとり購入意欲が湧いてきます。
 
そして入居後も顧客が満足のいく、クレームの起きない良い商品を作る事を継続する事で知名度も上がります。
 
例え万が一、クレームが起きましても迅速に誠実に対応すれば「 雨降って地固まる 」で誠意や信頼度が回復できます。
 
売主や力量の高い良い設計者の誠意と信頼が感じられ入居後もクレームの起きない良い商品を作り続ける事に依って潜在顧客の信用度が高まり、価格競争での販売にならずに済むのです。
 
その結果、不動産業界や一般社会に於いて良い評判を立てる事ができますので、生き残れる道だと実感しております。
 
これらの事を継続されていれば、自ずと会社の信用度が高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )に結びつき「  超大手、大手ディベの寡占化  」に楔( くさび )が打てます。
 
その様にされ続けていけば、準大手ディベや中堅ディベが、 超大手、大手ディベに対峙し対等に勝負できる個性有る会社になると私は確信しています。
 
そして、今回御説明致します細かい配慮である『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量が分る。 』を御覧戴いて、新規分譲マンションや建売戸建等の商品企画時点に良い設計者に依頼し商品に反映されれば、魅力的で同業他社物件と差別化された良い商品になるのでは…と思います。
 
この様な商品を作り続けていけば、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーも不動産業界だけでなく、一般の社会に於いて会社名や「 ブランド 」名の知名度も上がり販売におおいに寄与すると確信致しております。
 
ですので、今回の私のコラム85号『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量が分る。 』を参考にされて細かい配慮の有る「 モノづくり 」を継続する事が、不動産業界の中で超大手や大手ディベロッパーと同様、又はそれ以上に世間は評価すると思います。
 
それでこそ、準大手や中堅ディベロッパーが生き残れる唯一の道だと私は確信しております。
 
「 継続は力なり 」です。そして特に準大手や中堅の事業主は、いつも申し上げていますが「 誠実に勝る近道無し 」を心がけて戴きたいものです。
 
もはや現在日本全国で820万戸、首都圏( 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県 )だけでも250万戸もの空き家が有る不動産業界で準大手や中堅ディベロッパーが超大手や大手ディベロッパーに勝てるのは供給戸数の数よりも商品企画等の「 質 」や「 こだわり 」だけだと確信しています。
 
その様な「 良質 」の商品を世に出す為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第19項目であります今回のコラム『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量が分る。 』の内容は「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」の商品企画・基本計画及び実施設計段階で取り入れて戴ければ、購入者( 入居者 )への細かい配慮の判断基準となると信じております。
 
今回の内容は、潜在顧客の売主評価に多いにつながる事ですのでとても大切な事柄なのです。
 
手前味噌になりますが、今回も私が今迄約30年以上手がけました「 新規分譲戸建 」や「 新規分譲マンション 」等の設計業務、工事監理業務や設計監修の経験に基づいた大変貴重なお話なのです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々はこれから進める「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等の商品企画・基本計画や実施設計時点に於いて、今回のコラム85号『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量が分る。 』の内容を良く理解し「 新規分譲マンション 」や「 分譲戸建 」等の設計内容に取り入れて下さい。
 
特に、今回のコラム内容は「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」を購入された入居者への細かい配慮等につながる事ですので、購入の決定を左右する貴重なお話しです。
 
ほとんどの「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」等の売れ行きは、ディベロッパーや力量の高い良い設計者が配慮した細かい内容の商品企画の「 質 」が支持されるか否かで決まります。
 
そして、これも常に申し上げていますが、「 分譲戸建 」や「 分譲マンション 」の計画時点で実行して戴きたい事が有ります。
 
私が今までの設計業務や設計監修業務の経験を踏まえて申し上げたい事は、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、絶対に『 製販一体 』の体制で商品企画を行う事です。
 
「 分譲戸建 」や「 分譲マンション 」等の商品企画会議では製造部門と販売部門が一体になって戴きたい事です。その理由は販売部門が顧客の生の声を商品企画会議で発言し製造部門に伝え、その内容が良ければどんどん商品企画や商品説明の内容等に反映できるからなのです。
 
更に、今回の『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量が分る。 』の良さが具体的に販売部隊の方々も良く理解でき伝えられますので、顧客に対して自信を持って同業他社への差別化を「 セールストーク 」できるからなのです。
 
前置きがいつも長くて申し訳ございません。
 
さて、今回は分譲物件に於いて商品企画等をされる力量の高い設計者のきめ細やかな配慮であります『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量が分る。 』をこれから具体的に御説明致します。
 
我々設計業界では昔から『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量がわかる。 』と言われています。
 
「 トイレ 」の設計は設計の「 イロハ 」で、設計事務所で最初に教わる事です。
 
マンション、オフィスビル、ホテル、ショッピングセンター等や公共建物等、全てに言える言葉です。
 
私は新しい話題性の有る建物が竣工致しますと直ぐに見学に行き、まず「 トイレ 」を見て判断致します。
 
これから販売される「 分譲戸建 」や「 分譲マンション 」のディベロッパーの方々に「 トイレ 」の設計の良し悪しを御教え致しましょう。まず設計図書内の意匠図の「 トイレ 」を良く見てください。そして便器に座ったと思って下さい。ペーパーホルダーは便器に座った位置の右側に有るか左側にあるかで設計者の力量が分ります。
 
正解は便器に座った位置での左側です。理由は日本人の約8割の人が右利きと言われています。右利きの人が便所で「 トイレットペーパー 」を引き出すには便器に座った位置の左側に「 ペーパーホルダー 」が有った方がペーパーを引き出し易いですし、引き出すペーパー量も少なくて済みます。
 
特にオフィスビルの「 女子トイレ 」では顕著に差が出ます。右側と左側では「 トイレットペーパー 」の使用量が約1.5~2倍位の量が右側の方に多かったそうです。
 
「 分譲戸建 」や「 分譲マンション 」でも同じです。住戸内の毎日使う「 トイレ 」を購入者の身になって設計されていれば当然便器に座った左側にペーパーホルダーが有るべきです。右側に有ったらそのマンションの設計者の力量不足です。
 
「 トイレ 」の設計を居住者の立場に立ってきめ細やかに設計された建物は細部にわたって至る所で配慮がなされているのです。
 
更に「 分譲戸建 」や「 分譲マンション 」の住戸図面の「 トイレ 」内の便器の先端から正面の壁又は扉のレバーハンドルの所までの離隔距離を計測して下さい。
 
55センチ以上有れば「 可 」で、60センチ以上有れば「 優 」です。
 
何故かと言いますと、身長165センチ以上の男子の場合、排便後お尻を拭く時に前方に腰を浮かせますので55センチ以下ですと前の壁か或いは正面扉のレバーハンドルに頭をぶつけて痛い思いを致します。
 
ここでディベロッパー側として注意をして頂きたい事が有ります。
 
設計者から渡された設計図書内の意匠図の縮尺が1/50ならば便器と正面の壁まで図上で11ミリ以上あれば合格です。( 11ミリ×50倍=550ミリ=55センチ )
 
「 トイレ 」への配慮はディベロッパー側として、購入者( 入居者 )が毎日絶対に使用する所だけに十分チェックしてください。
 
力量の高い良い設計者の細かい配慮は「 トイレ 」を見れば一目瞭然ですので更に「 トイレ 」への配慮の事を御説明致します。
 
ちょっと高額なマンションの「 トイレ 」はファミリータイプのマンションの「 トイレ 」より若干広いので、小さな洗面器( 手洗い器 )が付いています。
 
住宅内の「 トイレ 」で便器の後のタンクの上で手を洗うのは私の知る限り日本だけです。
 
良く言えば水道の水の無駄遣いをしない為にエコとも言えますが、何ともシャビー( みすぼらしい )な感じです。
 
私は住宅の「 トイレ 」内には小さな洗面器は必要だと思っています。
 
この業界で最初に高級マンションでなく、ファミリーマンションの「 トイレ 」に小さな洗面器を全戸( 126戸 )に付けたのは過去に私が設計した物件だけでした。
 
住戸の「 トイレ 」に洗面器が有ると来客が手を洗いたいと言っても「 洗面脱衣室 」に通さず
に「 トイレ」を使ってもらえるので便利ですので最近は多くのファミリーマンションで設置され
る様になりました。
 
そして、この「 トイレ 」内の洗面器の上に「 鏡 」を設置してある事が多々ありますが、これも設計者の力量の判断ができます。
 
設置された「 鏡 」と洗面器の位置が便器の脇なら良いのです。
 
処が、「 鏡 」と洗面器が便器の正面にありますと設計者の力量が不足です。
 
これは設計者のセンスを疑ってしまいます。
 
自分が排便をしていたり、お尻を拭いている顔や姿が正面の「 鏡 」に見えるのですからあまり感じの良いものではありません。むしろ不快だと思います。
 
「 分譲戸建 」や「 分譲マンション 」の設計者はこういう所に気配りが必要です。
 
こういう所に気配りが欠けた力量の無い設計者の設計した「 分譲戸建 」や「 分譲マンション 」ほとんどと言っていいほどマンション全てに気配りが不足しています。
 
この点を見ただけでそのマンション全ての使い勝手の良し悪しが判断できますので、ディベロッパーの皆様良く「 トイレ 」をチェックしてから設計者を選んで下さい。
 
過去に上梓しました拙書でこの事を書きましたら、色々なマンション関係の本に無断転載されました。
 
ちなみに、私は他人の知的財産を無断使用した事は無いですが、私の知的財産は結構最近も無断使用されていますので困ったものです。
 
最近は、自分の知恵を無断使用されるのも勲章かな…って諦めております。
 
今回の『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量が分る。 』の内容は入居者( 購入者 )への細かい所への「 配慮 」であると思います。
 
それに依って売主のスタンス及び商品企画の質が判断されます。
 
今回、コラム第85号では『 「 トイレ 」を見れば設計者の力量が分る。 』の御説明を致しました。
 
この事は分譲マンションや建売戸建等を企画する上でとても重要で大切な事ですので、是非是非参考にして戴きたいと存じます。
 
常に、超大手や大手ディベロッパーは一流とは限らないと私は言っております。
 
私の独断で申し上げれば、建築的価値観では一流と評価できますディベロッパーはほんの数社しか有りません。ほとんどが三流ディベロッパーなのです。
 
一流のディベロッパーは常に力量の高い良い設計者に依頼し、購入者( 入居者 )への細かい配慮が行き届いた質の良い分譲マンションや建売戸建等を供給しています。
 
何度も申し上げています様に、不動産の分譲事業で一番大切なのは売主の信用と顧客に対する細かい配慮や物件の商品企画の質です。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとって「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」に対抗し勝つ為には分譲物件の質の良さ、顧客への気遣いや配慮及び将来クレームが生じないマンションを作り続ける事なのです。
 
ですので、毎回何度も注意を致しておりますが、商品内容の質やクレーム等で信用を落とすのは一瞬ですが、再度信用を築くには最低10年以上はかかります。この事もよく肝に銘じて下さい。
 
次回、第86号はフェーズ8の「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第20項目である『 「 リビング・ダイニング 」(LD)の広さは住戸専有面積の1/4以上欲しい。 』に関してのお話を致します。
 
 
次回の内容も期待して戴ければ幸いと存じます。
 
 
 
以上。

 
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