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不動産

第84回 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。

売れる住宅を創る 100の視点

今回も前回と同じフェーズ8「 モノづくり 」の「 こだわり 」です。その第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第18項目である『 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。 』に関してのお話を致します。
 
前回はフェーズ8の「 モノづくり 」に於いて、住まいの『 ハード面の重視 』の大切さを認識して戴く目的でこのコラムに於いて25項目用意致しました中の、第17項目『 「 浴室 」の大きさは1418が標準で手摺とシャワーバーは必要不可欠。 』の御説明を致しました。
 
今回も「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」に於いてハード面の良し悪しに依って特に売主の「 モノづくり 」に対する姿勢が問われていますので『 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。 』を皆様に詳しく御説明致します。
 
さて、今回も建築家として、私が最も得意とする「 モノづくり 」におけるハード面に於いて大切な「 こだわり 」の御説明であります。
 
「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」の住戸への「 モノづくり 」に対する「 こだわり 」に於いて売主が入居者( 購入者 )へ細かな配慮された商品を製造・販売しているか否かが、購入者にとって大変大きな判断基準になりますのでよく御覧下さい。
 
そして、今後「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」に必要な細かな配慮は家事を行う「 女性 」( 最近は男性も… )です。ですので、私の今迄の分譲マンションや建売戸建住戸の設計等の経験を通して御説明を致します。
 
いつも、このコラムで、申し上げていますが、この処の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの顕著な傾向は、良い商品を作って分譲している良心的なディベロッパーと、販売力の強さや数字のみに頼って「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等を企画・販売していますディベロッパーとの「 2極分化 」がかなり顕著になってきております。
 
現在、販売力の強さと数字のみに頼って製造販売しているディベロッパーに於いては、かなり多くの数の完成在庫住戸を抱え苦戦を強いられています。
その結果売れずに竣工後2年以上の「 完成在庫住戸 」が多いのが現状です。
 
更に、不動産業界は益々、資本主義の原点である「 弱肉強食 」的傾向が強くなり「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」がどんどん進み、その結果、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが超大手ディベロッパーに吸収合併されております。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーが、これら将来にわたり、それらの超大手や大手の会社に対し、独立独歩で対峙し勝負するには、分譲予定物件の「 質 」と「 モノづくり 」にはトコトン細かい所まで「 こだわり 」や「 誠意 」を必ず持って魅力有る商品を作らなければ価格競争の渦に巻き込まれてしまうと危惧致します。
 
そして、その様な分譲マンションを供給しなければ生き残れないでしょう。その様な社風にすれば顧客が分譲物件の「 質 」である細かい「 こだわり 」や「 誠意 」を敏感に感じとり購入意欲が湧いてきます。
 
そして入居後も顧客が満足のいく、クレームの起きない良い商品を作る事を継続する事で知名度も上がります。
 
例え万が一、クレームが起きましても迅速に誠実に対応すれば「 雨降って地固まる 」で誠意や信頼度が回復できます。
 
誠意と信頼が感じられ入居後もクレームの起きない良い商品を作り続ける事に依って潜在顧客の信用度が高まり、価格競争での販売にならずに済むのです。
 
その結果、不動産業界や一般社会に於いて良い評判を立てる事ができますので、生き残れる道だと実感しております。
 
これらの事を継続されていれば、自ずと会社の信用度が高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )に結びつき「  超大手、大手ディベの寡占化  」に楔( くさび )が打てます。
 
その様にされ続けていけば、準大手ディベや中堅ディベが、 超大手、大手ディベに対峙し対等に勝負できる個性有る会社になると私は確信しています。
 
そして、今回御説明致します細かい配慮である『 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。 』を御覧戴いて、新規分譲マンションや建売戸建等の商品企画時点に於いて商品に反映されれば、魅力的で同業他社物件と差別化された良い商品になります。
 
この様な商品を作り続けていけば、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーも不動産業界だけでなく、一般の社会に於いて会社名や「 ブランド 」名の知名度も上がり販売におおいに寄与すると確信致しております。
 
ですので、今回の私のコラム84号『 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。 』を参考にされて細かい配慮の有る「 モノづくり 」を継続する事が、不動産業界の中で超大手や大手ディベロッパーと同様、又はそれ以上に世間は評価すると思います。
 
それでこそ、準大手や中堅ディベロッパーが生き残れる唯一の道だと私は確信しております。
 
「 継続は力なり 」です。そして特に準大手や中堅の事業主は、いつも申し上げていますが「 誠実に勝る近道無し 」を心がけて戴きたいものです。
 
もう現在の不動産業界で準大手や中堅ディベロッパーが超大手や大手ディベロッパーに勝てるのは供給戸数の数よりも商品の「 質 」や「 こだわり 」だけだと確信しています。
 
その様な「 良質 」の商品を世に出す為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第18項目であります今回のコラム『 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。 』の内容は「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」の商品企画・基本計画及び実施設計段階で取り入れて戴ければ、購入者( 入居者 )への細かい配慮に関しての判断基準となると信じております。
 
特に今回の内容は主にハード面ですが、潜在顧客の売主評価に多いにつながる事ですのでとても大切な事柄なのです。
 
手前味噌になりますが、今回も私が今迄約30年以上手がけました「 新規分譲戸建 」や「 新規分譲マンション 」等の設計業務、工事監理業務や設計監修の経験に基づいた大変貴重なお話なのです。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々はこれから進める「 新規分譲マンション 」や「 新規分譲戸建 」等の商品企画・基本計画や実施設計時点に於いて、今回のコラム84号『 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。 』の内容を良く理解し「 新規分譲マンション 」や「 分譲戸建 」等の設計内容に取り入れて下さい。
 
特に、今回のコラム内容は「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」を購入された入居者への細かい配慮につながる事ですので、購入の決定を左右する貴重なお話しです。
 
ほとんどの「 分譲マンション 」や「 分譲戸建 」等の売れ行きは、ディベロッパーや設計者が配慮した細かい内容の質が支持されるか否かで決まります。
 
そして、これも常に申し上げていますが、「 分譲戸建 」や「 分譲マンション 」の計画時点で実行して戴きたい事が有ります。
 
私が今までの設計業務や設計監修業務の経験を踏まえて申し上げたい事は、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、絶対に『 製販一体 』の体制で商品企画を行う事です。
 
「 分譲戸建 」や「 分譲マンション 」等の商品企画会議では製造部門と販売部門が一体になって戴きたい事です。その理由は販売部門が顧客の生の声を商品企画会議で発言し製造部門に伝え、その内容が良ければどんどん商品企画や商品説明の内容等に反映できるからなのです。
 
更に、今回の『 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。 』の良さが具体的に販売部隊の方々も良く理解でき伝えられますので、顧客に対して自信を持って同業他社への差別化を「 セールストーク 」できるからなのです。
 
前置きがいつも長くて申し訳ございません。
 
さて、今回は分譲物件に於いて入居後、家事をなされる「 女性&男性 」へのきめ細やかな配慮であります『 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。 』をこれから具体的に御説明致します。
 
分譲マンションや建売戸建を購入される方々は入居前には『 「 洗濯機置場 」の照明の位置 』全く気付かないのですが入居後に、この件はとても気になります。
 
今回は購入( 入居 )予定の方がモデルルームを見る時に見落としがちで、入居後気付き不満になる所なのです。
 
具体的に申し上げますと「 洗面脱衣室 」内の「 洗濯機置き場 」の明るさのチェックです。
 
通常、購入( 入居 )予定の方、主に「 女性? 」の方々は洗面脱衣室に入りますと、大抵の方は洗面化粧台の仕様チェックやリネン庫の有無は入念に行い、そして洗濯機置き場のチェックは防水パン( WP:ウォッシュパン )の寸法を測り、現在使用している洗濯機が置けるかどうかの確認のみで終わりなのです。
 
今回問題にしています「 WP 」の照明器具の位置や明るさに不満を持たれるのは購入後( 入居後 )です。
 
そして、その不満に依って売主に対して、不快感を抱かれます。
 
中にはこれから「 分譲マンション 」や「 分譲戸建」を購入しようとしている友人達に売主の悪口を言いふらすのです。
 
その様にならない為に、売主や販売会社の方々、現在販売中のモデルルームで実験される事をまずお奨め致します。
 
洗濯機置き場の前に立って「 WP 」より約1メートル前後の高さの位置( 約洗濯機を置いた時の高さ )で「 WP 」の中央に手をかざして下さい。
 
その手に照明器具の光があたっていますでしょうか…? 
 
多分その手にはチェックされた方の自分の陰が落ちて暗いケースが多いのです。
 
このチェックは、実際に入居された時、洗濯機置き場に洗濯機を置きましましたら、洗濯機の中の洗濯槽内や洗濯後の洗濯物が自分の陰で薄暗くなってしまうのではないかという確認なのです。
 
洗面脱衣室の天井高さ( CH )は通常約2.2メートル位です。その高さに60ワット電球( 最近はLED )が差し込まれたダウンライト( DL )が2基設置されて洗面脱衣室の明かりを確保しています。
 
ちなみに、DLとは天井に埋め込んで設置する筒状の照明器具です。天井面下に設置する照明器具よりも照らす面が暗いのです。
 
ほとんどのモデルルーム洗濯機置き場付近の照明器具は「 WP 」より手前に約40~50センチの位置に設置されて高さは約2.2メートル位です。
 
日本人の女性の平均身長はだいたい1.6メートル前後位です。その位の身長の方が「 WP 」の前に立ちますと、立った位置より多少後の所で頭上より60センチ程度上に照明器具が有るので、その様なケースですと「 WP 」や洗濯機上面に自分の陰が落ちて暗いのです。
 
私は「 内覧会同行 」チェックでは依頼者の奥様に「 WP 」の前に立ってもらい「 WP 」面に自分の陰を落としていないかを試して戴いています。
 
90%以上の確率で「 WP 」面に奥様の陰が落ちて暗いのです。この件を修正する工事を依頼しても大抵は「 モデルルームと同じですから致しません 」という回答が返ってきます。
 
既に購入された奥様はこの時点で売主の配慮不足に気付きます。
 
この洗濯機が陰になる件は意匠と電気設備の設計者の配慮不足ですし、モデルルーム完成時点に於いても事業主のチェック不足です。
 
ちなみに現在の私の本業は「 設計監修 」ですので、私が担当している物件の洗面脱衣室内の照明計画はこの様な現象が起きない様に「 WP 」手前側の3~4センチ程度立ち上がった縁の直上にDLを設置する様に設計者に助言しております。
 
その様にすれば洗濯機の洗濯槽の中も明るくなり洗濯し易く、洗濯後の洗濯物の汚れ落ちの確認もし易いのです。
 
特に購入者( 入居者 )が高齢の方ですと、この細かい事に設計者の配慮が必要ですし、事業主もモデルルームで実験して下さい。
 
別棟モデルルームは仮縫い( 検討 )の場所でもありますので、売主、販売会社と設計者が是非洗濯機が「 WP 」の上に置かれたと仮定して明るさの確認をして下さい。
 
今回のコラムの様に、入居した後で気づき購入者( 入居者 )に苦い思いをさせない「 配慮 」が大切なのです。
 
今回の『 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。 』は入居者( 購入者 )にとっては、入居後に追加設置すには結構費用がかかりますので、この様な細かい所への「 配慮 」は大切であると思います。
 
それに依っても売主のスタンス及び質が判断されます。
 
今回のコラム第84号では『 「 洗濯機置場 」の照明の位置に要注意。 』の御説明を致しました。
 
この事は分譲マンションや建売戸建等を企画する上でとても重要で大切な事ですので、是非共参考にして戴きたいと存じます。
 
常に、超大手や大手ディベロッパーは一流とは限らないと私は言っております。
 
私の独断で申し上げれば、建築的価値観では一流と評価できますディベロッパーはほんの数社しか有りません。ほとんどが三流ディベロッパーなのです。
 
一流のディベロッパーは常に購入者( 入居者 )への細かい配慮が行き届いた質の良い分譲マンションや建売戸建等を供給しています。
 
何度も申し上げています様に、不動産の分譲事業で一番大切なのは売主の信用と顧客に対する細かい配慮や物件の質です。
 
準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとって「 超大手、大手ディベロッパーの寡占化 」に対抗し勝つ為には分譲物件の質の良さ、顧客への気遣いや配慮及び将来クレームが生じないマンションを作り続ける事なのです。
 
ですので、毎回何度も注意を促していますが、商品内容の質やクレーム等で信用を落とすのは一瞬ですが、再度信用を築くには最低10年以上はかかります。この事もよく肝に銘じて下さい。
 
次回、第85号はフェーズ8の「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第19項目である『 「 便所 」を見れば設計者の力量が分る。 』に関してのお話を致します。
 
次回の内容も期待して戴ければ幸いと存じます。
 
 
 
以上。

 
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