◆ Shampoo-ya(シャンプー屋)◆ 「新しい専門領域」を発見する |
最近、どの街にも、シャンプーを省いたカット専門店がある。 カットのみを望む客がいる一方で、シャンプーだけをやって欲しいと考える客もいるに違いない。 シャンプー専門店『Shampoo-ya』のこうした予測は見事に的中して、順調に伸びている。 3年前に新橋の中華料理屋の3階に15坪くらいの小さな店を開くと1日30人以上もの客が訪れた。 新しい市場の誕生に確信を持ち、今年は西新橋に50坪くらいの路面店を開いた。 客単価は、男性が約3000円、女性は4000円くらいに達している。 理・美容室でのシャンプーの気持ちよさは、洗髪と、その後のマッサージだ。 そこで、『Shampoo-ya』では、シャンプーと頭髪や肩のマッサージを組み合わせたコースを数種類用意した。 オープンする前は、書き入れ時は汗をかく夏、対象はサラリーマンと考えていたそうだ。 ところが、ふたを開けてみれば、冬も夏も客数は変らなかった。 また、同僚の口コミでやってくる女性客が少なくなかった。 社長の川人修作さんは、数人の友人から「床屋の楽しみはシャンプー」だという話を聞き、 このビジネスを考案した。ところが、川人さんは営業出身で、美容業界にはズブの素人。 そこで、オープンにあたっては、数人の美容師を採用した。 偶然、その中に、アメリカのシャンプー専門店で働いた経験を持つ人材がおり、 川人さんは、初めて、アメリカにも同様のサービスがあること、 また、カットが嫌いでシャンプーだけを好む美容師が意外に多いことを知ったという。 結果として、同店は、カット嫌いの美容師の雇用の受け皿にもなったわけだ。 西新橋に新しい店を開くと、今度は、7~8割を女性客が占めるようになった。 1号店のすぐ近く選んだのは、店の込み具合にあわせて両店舗がスタッフを融通しあえるからだ。 女性客の中には、これまでの店は、裏道に入り口があって入りにいくので敬遠してたと話す人が少なくなかったという。 潜在顧客は、相当数いたわけだ。 女性客の増加にあわせて、全身エステ、ハーブティーのドリンクサービス、アロマテラピーをはじめ、 様々なメニューを増やしていった。 営業時間は朝7時から夜10時まで。 場所柄、午前中は出勤前のOLや夜勤明けの看護士などが訪れ、 昼休みはサラリーマンやOL、夕方はデート前のOLや出勤前のホステスなど セットを目的にした客がやってくるので、アイドルタイムは生じないという。 気分によって、新橋店と西新橋店を使い分けている人もいる。 ところで、オリーブオイル専門店、お酢専門店をはじめ、 物販の分野では、専門店化、細分化はかなりのレベルに達している。 同様に、ホテル、美容業、カルチャースクールをはじめとしたサービス業の分野でも、 まだまだ、専門店化、細分化の余地は残っているはずだ。 美容室、理容室のシャンプーに目をつけて大成功を収めた同店のやり方は、 新しい専門領域を発見するために、非常に参考になる。 (カデナクリエイト/竹内三保子) ◆社長の繁盛トレンドデータ◆ 『Shampoo-ya(シャンプー屋)』 港区西新橋1-9-1 ブロドリー西新橋ビル1・2F TEL 03-3519-6616 http://www.shampoo-ya.com/ |