menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

キーワード

第79回 リアルと実店舗が補完し合い、顧客満足を高める「オーマイグラス」

「社長の繁盛トレンド通信」

 ◆オーマイグラス◆ 


「リアルと実店舗が補完し合い、顧客満足を高める 

 

kadena201381.png

形状や色によって検索でき、非常に見やすいウェブサイト。数多くの商品を用意し、ロングテールを狙えるのはネット通販の強みだ
 

 

kadena201382.JPG

このような専用ケースに入って試着用メガネは届く。写真のオリジナル商品「+omg」はここでしか買えない。一番人気だ。 

 
kadena201383.JPG
 
 

提携店にはこのロゴステッカーがはられている。『オーマイグラス』で購入したメガネの持ち込みOKの証だ。 「ソフトバンクのwi-fiスポットのようにしたい」(清川CEO) 

 

kadena201384.jpg

今年3月には、マルイの2店舗で期間眼底のリアルショップもオープン。予想以上の集客に成功した
  

 

本、家電、靴、食材に至るまで、今やあらゆるものがネットを介して買えるようになった。しかし、未だネット通販と相性の悪い商材がある。

メガネだ。

メガネを買う際には、度をあわせる「視力測定」や、掛け心地を調整する「フィッティング」といった作業が不可欠なためだ。ネットでいくら気にいったデザインのフレームを見つけても、そう気楽には購入できなかったわけだ。

この常識を打ち破ったのが『Oh My Glasses(オーマイグラス)』である。

『オーマイグラス』は、2012年にオープンした“メガネ専門“の通販サイトだ。
世界有数のメガネ産地である福井県鯖江の製品や、オリジナルブランド「+omg」をはじめとした国内外の約100ブランド・3000種類に及ぶメガネフレームを扱う。売上は公表していないが、リピート率は30~40%。ちなみに通常のメガネ販売店のリピート率は5%程度だという。

同サイトは、ネット通販におけるメガネの弱点を、どのように乗り越えたのか?

まず1つは「フレーム5本までなら無料で試着できる」サービスを用意したことだ。
ネットで気になるフレームを選び、発注すれば自宅でゆっくり試着できる。その中で気に入った1本が見つかれば、それを選んで一度返却。サイト上で両眼の度数情報を入力するだけで、後日、度付きレンズを入れて納品される、という仕組みだ。

もっとも、それだけでは解決にならない。
そこでさらに斬新な仕掛けが既存のメガネ店と提携、「実店舗に購入したメガネを持ち込めば、検眼やフィッティングなどのサービスを無料で受けられる」というサービスを用意したことだ。

同社は『メガネドラッグ』、『ビジョンメガネ』といった大手メガネチェーン店を含めた全国約1100店舗と提携。提携店に『オーマイグラス』で購入したメガネを持ち込めばアフターサービスに対応してもらえる。

「たくさんのフレームを吟味して選べるのは店舗スペースに制限されないネット通販の強み。しかし、検眼や調整などはやはり実店舗で対面で受けたい、という人がほとんどです。一方でレンズのメーカーにまでこだわる方は非常に少ない。つまり『オーマイグラス』で選び、あとは近所のメガネ店でサービスを受ける。それがお客様の高い満足に直結した、と自負しています」(清川忠康CEO)

提携している既存のメガネ店にとってのメリットも大きい。
検眼や調整などのサービスは無料だが、修理とレンズ交換に関しては有料で、この売上が提携店舗に入る。また提携店にしてみたら、新たな見込み客の開拓にも繋がるからだ。

インターネットで集めた顧客を、実店舗の送客に繋げる「O2O(オンライン・トゥ・オフライン)」が注目されている。ネットと実店舗での統合ポイントカードや来店ポイントを加算するイベントなどがその代表だが、同社はECサイトと既存メガネ店との提携という形でO2Oを実践したわけだ。

周知の通り、既存メガネチェーン店は、低価格SPAの隆盛で、売上を下げていた。そんななかで、同社との提携は、願ってもないチャンスとなる。互いに補完関係を強く見いだせたからこそ、1年足らずで提携先1100店舗という発展をなしえたのだろう。ちなみにこの店舗数は、他の競合単体チェーン店を抜いて1位である。

「斜陽産業」「成熟産業」と形容される業界で、新たな集客の仕組みをつくれずにいる店舗は多い。その一端として、インターネットを敵視する声も聞こえる。

しかし、互いの強みと弱みをしっかりと認識して歩みよれば「ネット」と「成熟産業」の相性はもっと良いはずだ。オーマイグラスのO2O戦略をみると、そんな可能性を感じた。(カデナクリエイト/箱田高樹)
 

 

◆社長の繁盛トレンドデータ◆

『Oh My Glasses』 
http://www.ohmyglasses.jp/ 

 

 

 

 

第78回 買い物の面白さをふくらませる「ドンドンダウン オン ウェンズデイ」前のページ

第80回 SNSを集客の起爆剤にした歌舞伎町の新名所「ロボットレストラン」次のページ

関連記事

  1. 第6回(モノの価値を再評価する)「蒼 庵」

  2. 第65回(原点に戻る 漫楽園」)

  3. 第17回(きめ細かいサービスを実現する)「成子坂 田一」

最新の経営コラム

  1. 第四十一話 認知度アップの鍵! Instagramを効果的に活用する方法

  2. 第11話 職種によって評価要素ごとのウエイトを加減すべきか

  3. 第148回 中国の不動産バブル崩壊と金融リスクは要注意

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 製造業

    第153 号 多能工化のすすめ
  2. 健康

    第35号 憤懣(ふんまん)やるかたない思いが花粉症になって現れる
  3. 社員教育・営業

    第57講 クレーム担当者が疲弊しない成功の極意(3)
  4. 経済・株式・資産

    第11話 メガバンクの最新動向 ~店舗の改革~
  5. 製造業

    第281号 「後工程はお客様」を100回唱えるより、実際に次の工程を見よ。
keyboard_arrow_up