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仕事術

第59回 2016は「VR」元年!テレビを超える存在に?!

デジタルAVを味方に!新・仕事術

本連載では約2年前の記事「第38回 VRヘッドセットが本格発進!」で、VR「仮想現実」を手軽に実現できるハードウェアが続々登場し、現実味を帯びて来た事をご紹介しました。

その後、ハードウェアはさらに広がりを見せ、それに伴ってソフトウェア、サービス展開を計画する事業者が続々登場。ここ最近では経済効果が8兆円~18兆円という見込みが相次いで報道されるなど、一大産業に発展する兆しが見えてきました。
今回は、VRの最新状況と体験を踏まえ、少し先を予想します。
 
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【写真】コンテンツ東京2016「先端コンテンツ技術展」で撮影。数あるVR関連出展の中でも目立っていたのが、有限会社プロトタイプの「GOODSPEED VR」。本物のバイクに跨り、風を感じる装置も。まさに仮想現実の世界。
 
 
■ソニーの製品化で加速を早めるVR関連市場
ソニーの関連会社で家庭用ゲーム機「PlayStation」を開発するSIE(株式会社ソニー・インタラクティブエンタテイメント)は、同社の家庭用最新据置型ゲーム機「PlatStation4」(以下、PS4)と組み合わせて使用するVRヘッドセット「PlayStation VR」(以下、PSVR)を2016年10月13日に発売開始します。
VRヘッドセットとしては「オキュラス」が先行して業界を盛り上げ、製品としては大手HTCが「VIVE」を発売済みで話題になりましたが、これらはパソコンと組み合わせて使用することが前提で、設置、操作、コストなど、トータルで考えると、誰もが簡単に購入して使用できるものではありません。
一方、PSVRは家庭用ゲーム機をベースとしていて扱い易く、コスト面でもPS4とPSVRの両方を揃えても10万円弱と手頃です。そう、VRが広く浸透する下地が整ったと言え、2016年は「VR元年」と言えるのです。
好機と捉えたソフトメーカーは続々と対応作品を発表し、また様々な業界が検討してきたVRを応用したサービスの提供をも加速させそうです。
 
■PSVRの体験は本物!
VRは体験が第一。SIEは全国でPSVRの体験会を実施しています。筆者も実際に体験してきましたが、視野を覆う3D映像は非常にリアルで、体や頭の動きに合わせて変化する映像は滑らかで遅延も皆無。動画酔いや不自然さを感じさせない完成度の高さで、映像の世界に入り込むと、視覚的にも心理的にも、仮想か現実かの区別がつかなくなってしまうほどです。
VR体験の肝はコンテンツで、特に相性の良いのはゲーム。創造の世界の中を、主人公になって動き回り、働きかけることでストーリー展開も楽しむことができます。コンテンツですが、近年の高度なゲームは3D情報を元にレンダリング(描画)しているケースが多く、その場合、少し手を加えればVR立体表示にも対応でき、ゲーム制作各社が、ベストセラーシリーズ作品の最新作でVR対応を発表しています。注目はカプコンの「バイオハザード」、スクエアエニックスの「ファイナルファンタジー」などで、「自分が主人公になれる映画」そのものと言え、世界中の熱心なゲームファンが発売を心待ちにしています。
ほか、ゲームをしない方の場合、360度全天球を撮影した動画の視聴がおすすめです。例えばコンサートや紀行映像は、受け身でその場にいる雰囲気を堪能できます。
 
■VRの応用例
PSVRの発売はVRをより身近にすると考えられ、VRを利用したコンテンツ産業、サービスが一気に広がりそうです。
ゲーム以外にも産業用シミュレーションの世界でVRは活躍しそうです。例えば新車の試乗をゲーム風に制作して無料で配信すれば、多くのPSVR所有者に、ブランド名やモ製品を印象付けることができるでしょう。住宅業界でもVRが大きな存在になりそうです。モデルルームの見学にはうって付けですし、また、新築やリフォームなら設計データを元に細部までVRで再現し、誤解のない意思疎通ができていれば、完成後のトラブルが無く、満足度も高めることもできるでしょう。賃貸住宅ならVRを利用すると、自宅に居ながらより多くの物件をリアルに感じることができて便利そうです。
筆者の注目は映画。現在観客は決められた視点のみで観賞していますが、360度全天球の立体VRなら、映像の世界に飛び込んだような錯覚を覚えるほどの没入感を得られます。制作側は大変ですが、3D情報を元にした完全なコンピューターアニメ作品なら、それほど難しい相談ではありません。また、VR対応の映画を制作する会社も登場していて、そう遠くない未来に、VR映画が登場しそうです。但しその時は、映画館に行く必要ななさそうです。
 
■さいごに
インターネットの普及で職種によっては自宅勤務が可能になっていますが、顔を合わせてのコミュニケーションをVRで再現できれば、もっと広がる可能性があるでしょう。
今や生活に必要な物資は通販で調達でき、体験の多くがVRで仮想的に行えるようになると、自宅を出る頻度が低くなりそうです。こうした時代になると、何かとコストが高くストレスの多い都心に住む必然性はなくなり、地価にも影響するかもしれません。
話は飛躍しましたが、最新VRを体験すれば、それくらい大きなインパクトを与えると思わずにはいられないはずです。皆様も是非体験を!

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