キャッシュフローの意味を理解して場面に応じて使い分ける
売上が伸びていても、なぜか資金繰りが苦しい…。
そんなときに中小企業の社長が、「キャッシュフロー」という会計用語を使って、会社の財務状態について話すのをよく聞きます。
しかし、この「キャッシュフロー」という言葉、何となく使っていても、正確な意味や定義をきちんと理解していないケースも多いのではないでしょうか。
企業経営において、キャッシュフローは非常に重要な指標です。
特に中小企業においては、資金繰りが生命線となるため、キャッシュフロー管理は経営の安定性を大きく左右します。
そのため、さまざまなビジネスシーンで、社長が「キャッシュフロー」を語る場合、相手に対してその意味が正しく伝わらなければなりません。
そこで今回は、キャッシュフローの意味と使い方について、説明します。
「キャッシュフロー」という言葉をどんなときに使っていますか?
ざっくりとキャッシュフローを把握する
まず、キャッシュフローの最も簡単な捉え方から見ていきましょう。
日経新聞やビジネス誌などでよく使われるキャッシュフローが、「税引後利益+減価償却費」です。
法人税等を払った後の利益に減価償却費を足した金額です。
会社の利益に対して法人税と地方税が課されますので、税金を差し引いた後の利益が本来キャッシュとして会社に残ります。
減価償却費は、会計の計算上費用になっていますが、実際にはお金が出ていかないので、この分をキャッシュにプラスします。
損益計算書の一番下の税引後利益に減価償却費を足し戻すことで、「キャッシュフロー」を手元に残る現金として、簡単に計算できます。
忙しい社長が、ざっくりとキャッシュフローを把握して使うのに適しています。
たとえば、「今期の税引き後の利益が1,000万で減価償却が200万だから、実際には1,200万分のキャッシュが残る」というイメージで捉えておくと、経営の安心感が増します。
社内の経営会議で、社長が財務報告するときにも使えます。
「今期の業績は、売上も目標を達成し、税引後利益も確保できた。さらに、減価償却費を加えたキャッシュフローで見ると、実際にはこれだけの資金が会社に残っていることになる。この内部留保を、今後の新製品開発に充てていきたい。」
このように説明することにより、社長がキャッシュフロー経営を意識していることが、社員に明確に伝わります。
社内でキャッシュフローについて、どんな説明をしていますか?