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- 第31回 短い手紙で気持ちを伝えてお客様と信頼関係を築く
酷暑の8月がやってきました。
8月になると、戦争関連のニュースや映像を多く目にします。
わたしの祖先も、戦争で大きな心の傷を負っています。
幼少期のことをなかなか語らなかった父が、ここ一年くらいの間に、出征した家族や当時の記憶を少しずつ語ってくれるようになりました。
どれも受け止めるのに時間がかかる話です。いずれ何らかの形で伝えていきたいと思っています。
さて、お客様との信頼関係を築く「手書きのひと言」について、弊協会では、なかなか継続しがたい手書きのハガキや一筆箋をだれでも実践できるノウハウとして、企業研修やセミナー等でお伝えしています。
今の時代に喜ばれるのは、シンプルな短い手紙です。
具体的には3行でまとめましょう。
3行と聞くと、中には「たったそれだけでいいのか?」「幼稚なのでは?」と甘く見る人もいるようです。
しかし、シンプルを追求することほど難しいことはないと考えます。
また、受け取る相手=お客様にとって「もらってうれしい1枚」を書こうと思えば、おのずと言葉は短くシンプルになるのです。
・いつもありがとうございます
・感謝しています
・お元気ですか
・お変わりないですか
そうした感謝やご機嫌うかがいのひと言には、書き手の素直さがあらわれます。すんなりと違和感なく受け取れるので、共感が得られやすいのです。
書くほうも気負いなく書けるから、リラックスして書けます。悩まなくていいので、気が楽です。気楽だから、また書きたくなります。
かつて連絡を取り合う道具だった手書きの手紙は、今や、気持ちを伝える道具へとその役割を変えました。
以前は連絡する事柄に間違いがあってはいけないため、丁寧に長々と書きつづる必要がありましたが、今は手紙でそれをする必要がありません。
今の時代の手書きの手紙は、気持ちを伝えるツールです。
気持ちを伝えるために送るのですから、長々と書き連ねる必要はないのです。
昨今、手書きの長い手紙は嫌がられる傾向にあります。
それが家族や恋人同士、古くからの友人のようにお互いの気心が知れている間柄であれば、気持ちのおもむくままに書き連ねてもいいのですが、仕事でのつながりや、最近、問い合わせがあったばかりのお客様に長い手紙を送ると、「どうしよう、何か買わなければいけないの?」「こんなに立派な手紙をもらってしまった」と相手にプレッシャーを与えかねません。
格好いい1枚、心に刺さる1枚を書こうとするのは、自分をよく見せたい、よく見られたいという自分本位の書き方。
相手に喜ばれる1枚を書こうとするのは、相手思いの書き方。
短くてもいいのです。その代わり、相手のことを想像しながら、気持ちをしっかり込めて綴りましょう。